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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第2節  アメリカ合衆国
3  大学教育


大学の教育は,学部段階に相当するアンダーグラジュエートと大学院段階に相当するグラジュエート及びプロフェッショナル(専門大学又は学部)の二つに分けることができる。

学部課程は学士号の取得に導く4年間の課程で,リベラルアーツ(自由・学芸)あるいは一般教育と呼ばれる教育に重点が置かれるが,近年,学部における職業専門教育の需要が高まっているため,一部の大学では,専門分野別の学士号を授与する課程も設けている。

学部課程の伝統的な履修形態は,一般教育,専攻及び選択科目から成る。最初の2年間は一般教育に集中し,次の2年間は各自の「主専攻」領域を決定して,専攻に従った学習計画を立てるのが一般的であるが,学部段階を通して,大学が決定するリベラル・アーツを中核とするカリキュラムが必修とされる場合もある。学士号の取得には,―般に所定のコースで定められた単位を取得したうえ,論文審査に合格することが必要である。

学士より上級の学位を取得するためには,学士号取得後,―定期間大学院課程で学習し,所定の条件を満たさなければならない。

修士及び博士の取得課程における学習・研究の型には,純理論研究的なものと職業・技術研修的なものとがある。前者は通常,M.A.(Master ofarts)又はM.S.(Masteof Science)及びPh.D.(Docteof Phyloso―phy)の取得を可能にし,後者はそれぞれ修士及び博士レベルの多様な専門学位の取得を可能にする。前者はより広範な知識と視野とを有することを示し,後者はより専門的な知識と技能とを証明する。この区別は特にPh.D.とその他の博士号との間に顕著である。

職業専門教育課程は,大学によって異なり,極めて多岐にわたっている。学位の名称及び種類は,250を超える。

1986年現在の上級学位取得者数は,修士が約29万人,博士が約34万人で,このほか,第―職業専門学位(医学等の職業専門分野で学士の次に取得する学位)が約7万人である。

近年,上級学位に対する需要が様々な職種において高まるにつれ,大学院に過度の比重を置く大学が増加している。このため,大学院における研究と学部における一般教養教育との適正なバランスの問題が検討課題となっている。学部(一般教養カレッジ)でさえも教育から研究へ重点を移行し,知性の全面的発展よりも限られた分野での専門的諸技能や知識の習得に,より比重を置く傾向がみられる。この現象は,アメリカの大学の機能及び使命に重大な影響を及ぼしているとし,大学院の目的及び学部教育との接続等が問い直されようとしている。

州立大学の教員は身分上は州の公務貝であるが,任用,昇進,給与等人事に関する事項は大学の管理機関である理事会が最終権限を有している。州立大学の教員の一部は任期制である。

大学教貝の職階は,通常,教授,准教授,助教授及び講師の4種類から成る。

一般に講師及び助教授は2年ないし3年の任期制,准教授及び教授は永続的に身分を保証される終身在職権(テニュア)を有する。終身在職権を得るためには一定の試用勤務年限の後,既に終身在職権を有する教授団の審査を経,その推薦により理事会が決定する仕組みになっている。

1985年現在,フルタイム教員のうち終身在職権を持つ者の割合は,公立大学では64%,私立大学では52%である。

審査の基準は大学によって異なるが,教授能力,研究その他の独創的な業績評価,専門領域における活動状況,大学及び公共に対する奉仕,学生による授業能力評価等である。


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