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1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第6節  第1節活ある力教育研究
2  財政基盤の充実


大学等高等教育機関においては,今後,学術研究の高度化,多様化する学生に応じた教育機能の強化等の課題に適切に対応していく必要がある。

しかしながら,昭和50年代後半以降,厳しい財政事情等から,例えば,国立大学の施設整備費については一時期に比して減額となっている状況にあり,大学における研究施設・装置は不十分で,民間研究所のそれに匹敵し得ていない部分もあるとの指摘もなされている。また,大学院の教育研究条件の面から,研究後継者として大学院にとどまる学生が減少していることも憂慮されている。

大学は,基礎的な学術研究の振興と人材の養成を担い,国家・社会の発展の基礎を培うものである。しかも,我が国は,今後の国際社会において,世界的水準の学術研究の維持発展を図るとともに,人材の養成に寄与することにより国際社会に貢献することが強く期待されているところである。

このような観点からすれば,国は,我が国の今後の発展の基礎を培うためのみならず,我が国の国際的な責務を果たすためにも,大学の施設設備の整備,研究費の充実を始めとする教育研究条件の充実について,配慮する必要がある。

また,我が国の高等教育において,私立の大学・短期大学等の占める割合は学校数,学生数とも7割を超え,社会や国民の多様化・高度化する要請にこたえて多数の優れた人材を供給するなど,その果たしている役割を考慮すれば,私学の経営基盤が安定し,教育研究が質的に改善されていくことが高等教育全体にとって重要である。このため,私学の自主的な経営努力が期待されるとともに,私学助成の推進に努めていく必要がある。

さらに,学生の学習・生活に対する援助事業に関して,欧米諸国では,授業料等が徴収されなかったり,給付制の奨学金制度が設けられるなどの措置かとられている。我が国の場合,育英奨学事業,授業料の免除等が援助事業の重要な役割を担っているが,教育費負担の軽減を勘案しつつ,とりわけ,優れた研究後継者となる大学院生の教育研究条件の充実を図る観点も考慮して,育英奨学制度の充実に配慮する必要がある。

我が国が今後とも活力ある社会を維持し,発展を遂げていくためには,学術研究の振興と人材の養成を担う高等教育について厳しい財政事情も勘案しつつ,公財政支出の充実に配慮する必要があり,同時に,高等教育の質的向上を図る観点から,その配分の適正化,重点的・効率的支出に努める必要がある。また,国公私立の別等それぞれの実情に応じ,大学が民間資金の導入等多様な財源確保を図り得る諸条件を整備し,その活用により,各大学が主体的に大学教育の改善を進める上で必要な財政基盤の充実を行うことも望まれる。


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