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1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第4節  多様な入学者選抜の推進


今日の学校教育については,後期中等教育や高等教育の著しい普及等を背景に,例えば,受験競争の過熱化や偏差値偏重の弊害など様々な問題が指摘されている。社会の変化や生徒の多様な実態に対応するため,後期中等教育については,新しい学習指導要領の趣旨を徹底するとともに,学校制度について所要の見直しを行い,その―層の多様化,弾力化が図られつつあるところである。このような改革の方向を助長するとともに,後期中等教育の改革と関連して,後期中等教育と高等教育の接続の改善を図る観点から,大学入学者選抜の内容,方法の多様化等その改善を図ることは,重要な課題の一つである。

前述のように(第1部第2章第3節),過度の受験競争を緩和するためには,大学入学者選抜の改善,大学の個性化,多様化とともに,学歴偏重や有名校偏重の社会的風潮の是正など多角的な努力が,継続的に行われることが大切である。現在,各大学,大学関係団体において様々な改善の努力が行われているところであるが,特に,当面,特色ある多様な入学者選抜と国公立大学の受験機会の複数化を推進していくことが大きな政策課題となっている。

まず,大学入学者選抜の内容,方法については,国公私立の各大学を通じて,学力検査の結果のみに重きを置いた一元的な能力に偏することなく,多面的な評価が行われるよう,特色ある多様な入学者選抜が実施されるようにしていく必要がある。このため,各大学においては,高等学校から提出される調査書と,各大学が実施する学力検査,面接,小論文,実技検査等を適切に組み合わせて,能力・適性等を多面的かつ丁寧に判定する方向で,引き続き,その改善を図るとともに,推薦入学や帰国子女・社会人等の特別選抜の導入を促進するなど,入学者選抜の内容,方法の多様化をより一層推進することが大切である。

このような国公私立大学を通じた大学入学者選抜の改善に積極的に寄与するものとして,平成2年度入学者選抜から,利用教科・科目数などについて,各大学の判断と創意工夫により自由に利用できる大学入試センタ―試験が実施されたところである。今後,各大学が,大学入試センタ―試験と個別試験等を適切に組み合わせて特色ある多様な入学者選抜を実施できるようにするため,大学入試センター試験の円滑な実施・定着を図るとともに,私立大学においても,それぞれの創意工夫に基づく大学入試センタ―試験の適切な利活用が期待されるところである。

次に,国公立大学の受験機会の複数化については,現在,連続方式(個別の大学がA日程又はB日程のいずれがの日程により試験を1回実施する方式)と分離・分割方式(個別の大学が定員を分割して試験を2回実施する方式)の併用により実施されている。今後は,実施方式の簡素化を図り,受験生の選択の機会の拡大や多様な入学者選抜方法の導入を促進するため,関係各大学に対し,分離・分割方式を採用する方向で,更に積極的な取組を促していくことが肝要である。

大学入学者選抜は,大学や社会の活性化という観点からは,―定の競争を避け得ない面もあるが,各大学が,それぞれの個性・特色,設置者の別等に応じて,多様な入学者選抜の改善に努めていくことにより,高等教育における多様かつ個性的な教育研究の実現にも資するものと考える。

なお,現在,大学審議会において,中長期的観点に立って大学入試の改善のための基本的な視点や方向等について検討されており,また,中央教育審議会においては,後期中等教育と高等教育の接続の改善を図る観点から,その在り方について検討が行われているところである。


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