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1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第3節  高等教育の個性化・多様化
1  個性化,多様化と大学設置基準等の大綱化


高等教育の個性化,多様化を促進するためには,我が国の高等教育の枠組みを規定している大学設置基準等の見直しが求められる。現在の大学設置基準,短期大学設置基準等は,これまで大学,短期大学等の教育研究水準の維持・向上に―定の役割を果たしてきた点で評価されよう。

しかしながら,今や先進諸国に伍して新たな世界を切り開いていく立場にある我が国においては,高等教育機関が,今後の不透明な時代においていろいろな試みを行いながら教育研究の発展を多様に図っていくためには,その枠組みとなる基準は可能な限り緩やかな方が望ましいと考えられる。

また,前述した教育機能の強化,後述する生涯学習への対応などへ向けて,各大学,短期大学等がそれぞれの考えに基づいて教育上の創意工夫を行うことを可能にするためには,大学設置基準等の制度的枠組みを大綱化することは,必須の要件である。現在,大学審議会においては,その方向で検討が進められているところである。

大学設置基準の大綱化を考えるに当たっては,各大学がそれぞれの教育理念に基づき,充実した個性的で多様な教育研究を目指す上で,―般教育と専門教育の在り方の改善が重要な課題の一つと考えられる。

一般教育の理念・目標は,大学の教育が専門的な知識の修得だけにとどまることのないように,学問を通じ,広い知識を身に付けさせるとともに,ものをみる目や自主的・総合的に考える力を養うことにあり,入学してくる学生や諸科学の発展の現状からみて,このような理念・目標を実現することは重要である。

このような―般教育の理念・目標を実現すべく各大学において種々の改善,工夫の努力が行われているとはいえ,現状では―般教育の理念・目標と授業の実際との間には,しばしば乗離がみられ,また,専門教育との関係でも,有機的な関連性が欠如している傾向も見受けられる。

このような―般教育の理念・目標の実現と,専門教育における各専門分野の研究の進展,学際領域への展開,社会の多様化・複雑化に対応した内容の現代化,国際的な水準の維持,専攻領域の広がりへの対応が,大学教育全体の中で実質的,効果的に実現されるよう,カリキュラム及び教育体制の改善が求められている。


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