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1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第2節  高等教育の高度化
3  教育機能の強化


高等教育の高度化に関しては,大学における教育機能の強化を図ることも重要である。

我が国の大学における教育機能については,国際的な比較からみて不十分であるとの批判があり,これは謙虚に受け止める必要がある。大学教育が量的に拡大すれば,質的にはある程度の幅が出てくることはやむを得ない面もあるが,我が国の大学においては,これまでは,研究がことさらに重視され,学生に対する組織的・体系的教育への取組という面においては不十分であったとの感を否めない。

今後は,各大学において,教員個人の授業の集合としてではなく,大学として十分検討されたカリキュラムに基づく組織的,体系的教育としての大学教育を行うことが必要である。

その際,流動的で複雑な社会の変化や学術の新たな展開に適切に対応し得る能力の育成が重視されるべきであり,この意味で,自ら考えさせ判断させる教育,幅広い教養及び学問の基礎を重視したカリキュラムの編成,情報処理能力,外国語能力,表現能力等学問の基礎となる能力の訓練等が重要である。さらに,今後―層増加することが見込まれる留学生や社会人学生等の教育についても,それぞれの事情に応じたきめ細やかな配慮が必要である。

大学によっては,学生の学習意欲の向上を図り,学習内容を着実に消化させ得る組織的・体系的教育を行う観点から,よく検討されたカリキュラムの用意,十分なガイダンスの実施,詳細な授業計画(シラバス)の公表など,既にこの方向に沿った努力を払っているところもあるが,今後多くの大学においてこのような努力がなされることが強く望まれる。また,学生の学習の適切な評価も重要である。

欧米の大学では教員の教育能力や教育内容の向上を目指した組織的取組(ファカルティ・ディベロップメント)が行われており,我が国においても,各大学,研究団体による積極的な取組が重要である。


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