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1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第2節  高等教育の高度化
1  大学院の整備充実


高等教育の高度化に関する最重要課題は,大学院の整備充実である。

我が国の大学院は,昭和49年の大学院設置基準の制定により課程制大学院の性格が明確になったが,戦前からの学部と大学院の一体的運営の慣行がその後も続き,学部とは別個の存在としての大学院の在り方がなかなか確立しなかった。施設設備や教員組織についても事実上,学部に依存している面があり,また,大学院に対する社会―般の評価もそれほど高くない状況が続いた。

以上のようなこともあり,全体として高等教育が拡充している中にあって,我が国の大学院は,欧米諸国に比べていまだ不十分な状況にある。

量的側面においても,学部学生に対する大学院学生の比率は,欧米諸国の17〜31%に対し,我が国は4.4%であり,高等教育に占める大学院のウェイトは極めて小さい。

学術研究の高度化が進み,先端科学技術分野や学際領域への展開がみられる今日,研究後継者や高度な専門的職業人を確保していくためには,大学院の整備充実を図る必要がある。

大学院制度については,既に大学審議会の答申を受け,次のような改革を行った。

1) 博士課程の目的について,社会の多様化,複雑化に対応し,大学等の研究者の養成のみならず,社会の多様な方面で活躍し得る高度の能力と豊かな学識を有する人材の養成をもその目的とすることができることを明らかにしたこと。 今後,各大学院において新制度の積極的活用により,活発な教育研究活動が展開されることが期待される。 また,学術研究はもともと国際性を内包する営みであり,高度の教育研究の場である大学院においても,国際的に通用し,交流できるような教育研究活動を行い,世界の人材養成や学術の発展に寄与するものであることが要請されている。今後,このような教育研究活動の推進に努めるとともに,教員や研究者の交流を一層促進し,留学生に対する施策の格段の充実を図ることが必要である。 大学院の整備充実に当たっては,大学院全体の水準の向上を図ることのほか,各学問分野ごとに世界的水準の教育研究拠点(センター・オブ・エクセレンス)を育成していくことが重要である。
2) 大学院入学資格について,研究者として早期から専門教育を実施し,また,社会人の再教育を積極的に推進するため,その弾力化を図ったこと。
3) 修士課程について多様な形で大学院の活性化を推進していくため,修士課程の修業年限を弾力化(標準2年)し,個々の学生の業績等に着目して最短1年での修了を認め得ることとしたこと。
4) 独立大学院(学部を置かない大学院のみの大学)の組織編制及び施設設備に係る大綱的な基準を明らかにしたこと。
5) 大学院教貝への社会人の受入れを積極的に進めるため,専攻分野について特に優れた知識及び経験を有し,教育研究上の高度の指導能力を有すると認められる者にも,教員資格を認めたこと。
6) 社会人学生の受入れを積極的に進めるため,夜間において教育を行う修士課程を設置し得ることを明らかにしたこと。

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