ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
1部   高等教育の課題と展望
第3章  高等教育改革の方向
第1節  高等教育改革の視点


我が国の近代化の歴史をみると,明治以来,主として欧米先進諸国をモデルとし,これに追いつき,追い越すことを目指して社会の各分野における努力が払われてきた。今日,我が国は,経済的にも社会的にも大きな発展を遂げ,長らく目標としてきた欧米先進諸国と肩を並べるに至っている。

このことは,目標としうる明確なモデルが存在しなくなったことを意味しており,今後は,諸事流動的で不透明な時代にあって,他の国々を参考としながらも,自らの考えに基づいて新しい道を切り開いていくことが必要となる。これは,学問研究の分野においても同様である。

大学を中心とする高等教育は,これまで学術研究の向上はいうまでもなく,経済社会全体の発展に大きく貢献してきた。国際化,情報化,高齢化,生活の多様化等の諸変化が進む我が国が,今後とも豊かで活力ある社会を維持し発展していくためには,学術研究の振興と人材の養成を担う高等教育の役割は,ますます重要となってくる。

我が国の高等教育は,第1部第2章で触れたように,教育研究の質的充実,各大学の特色ある教育の推進,高等教育機関の多様な発展,生涯学習の場としての高等教育の機能の充実,大学の国際化などの重要な課題を抱えているところである。これからの時代に適切に対応していくためには,積極的な改革を推進し,新しい高等教育の在り方を求めていくことが要請されている。

昭和59年から62年にかけて,我が国の教育全般について検討を加えた臨時教育審議会は,今後の教育改革の基本的視点として,1)個性重視の原則,2)生涯学習体系への移行,3)変化への対応の3点を挙げている。

また,同審議会の提言に基づき,昭和62年に設置された大学審議会においては,現在,「大学等における教育研究の高度化,個性化及び活性化等の具体的方策について」審議が進められている。さらに,昨年4月に発足した第14期中央教育審議会においては,高等教育に関しては,後期中等教育の改革に関連して,後期中等教育と高等教育の接続の問題,生涯学習における高等教育機関の在り方について審議が進められている。

両審議会においては,今後も更に審議が深められることになるが,現時点において,これら両審議会における検討状況も参考としながら,我が国高等教育の課題を整理し,社会や国民の期待にこたえ得るような今後の発展を考えるとき,1)高等教育の高度化,2)高等教育の個性化・多様化等,3)生涯学習社会への対応,及びこれらを継続的,効果的に実現するための4)活力ある教育研究の推進の視点が重要である。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ