ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
1部   高等教育の課題と展望
第2章  高等教育の現状と課題
第5節  私立学校の現状と振興助成
1  私立学校の普及と役割


戦後の我が国の学校教育の普及において,私立学校は重要な役割を果たしてきた。特に,高等教育の普及における私立学校の役割は極めて大きく,私立の大学・短期大学・高等専門学校は,平成2年5月1日現在,874校,学生数197万人で,高等教育全体に占める割合は,学校数で75%,学生数で76%となっている。これを歴史的にみると,昭和25年度には,学校数で278校,学生数で18万人であったが,その後,昭和40年代の経済の高度成長下における大学入学志願者急増期において私立大学等の新増設や定員増などの拡充が図られ,私立大学等は,学校数,学生数において飛躍的な増加をみることとなり,今日,量的に大きな役割を占めるに至っている (図1-2-36)

また,こうした学校教育の普及における量的側面での貢献に加え,近年,国際化,情報化,社会の成熟化などが進展する中で,学校教育全般について,社会や国民の多様化・高度化する要請にこたえて個性的で特色ある教育を推進することが求められているが,このような面においてもそれぞれの独自の建学の精神に基づく個性豊かで多様な教育研究を積極的に展開している私立大学等の役割は―層重要となっそきている。

このような私立大学等の普及・発展を支える戦後の私立学校行政の大きな特徴は,次の二点である。第一は,教育基本法,学校教育法,私立学校法の制定により,私立学校に対する所轄庁の権限が大幅に縮小され,私立学校の自主性が重んじられたことである。第二は,設置者を,原則として学校法人に限定し,その組織,運営等について民法の法人に関する規定の不備を補い,学校の経営主体たるにふさわしい仕組みとし,その設置する私立学校の公共性の高揚が図られたことである。

また,昭和24年に制定された私立学校法において,新たに,国,地方公共団体は私立学校教育に関し必要な助成をすることができるとして公の助成の法的可能性を明確にしたほか,学校法人については,私立学校の財政的基盤を強化する一助として収益事業を行うことを認めたことも大きな意義を有している。

この公の助成に関して,昭和50年には私立学校振興助成法が制定され,国による私立大学等の経常的経費に対する補助についての規定が置かれるとともに,国,地方公共団体が,学校法人に対して税制上の優遇措置を講ずるよう努めるべきことが規定された。このような経緯を経て,現在,国としては,1)経常費補助を始めとする私学助成事業,2)日本私学振興財団における融資事業,3)税制上の優遇措置などの措置を講じ,私学の振興に努めている。

私立大学等においても,それぞれの自助努力によりその財政基盤の強化を図り,学生の修学上の経済的負担の適正化を図るとともに,教育研究条件の維持向上に努め,個性的で魅力ある学校づくりを推進していく必要がある。

1-2-36  高等教育機関における私立学校の在学者数の推移


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ