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1部   高等教育の課題と展望
第2章  高等教育の現状と課題
第3節  入学者選抜の改善
1  これまでの歩み



(1) 共通第1次学力試験の導入まで

大学入試の改善については,戦後,大学教育を受けるにふさわしい能力・適性等を有する者を合理的,客観的方法により選抜することを目指して,昭和20年代の進学適性検査,昭和30年代後半から40年代初頭にかけての能研テストの導入等の改革が試みられたが,テストの積極的な利用が得られない等それぞれの事情により廃止された。

その後,昭和54年度に共通第1次学力試験が導入されるまでの間の入試では,とかく1回の学力検査に頼ってすべてを決定する傾向がみられ,また,各大学が自に入試を行っていたこともあり,学力検査では高等学校教育の程度や範囲を超えた,いわゆる難問・奇問が出題された場合も少なくなく,それが高等学校教育に好ましくない影響を与えているという状況にあった。

このような現象の背景には,社会全般における学歴の偏重,特定の有名校に対する強い進学志望,各大学の歴史・沿革などからくる実質的な充実度の違い,学力をもって至上のものとする風潮など,複雑にからんだ要因があり,それらの解決のためには,総合的な対策とともに,入学者選抜方法の改善を進めることが必要と考えられた。このため,国立大学協会における長年の調査研究や昭和46年の入試改善会議の提案を経て,国公立大学において・昭和54年度入学者選抜がら共通第1次学カ試験を取り入れた新しい選抜方法が実施されることとなった。


(2) 共通第1次学力試験の実施

共通第1次学力試験は,高等学校の段階における一般的かつ基礎的な学習の程度を問う良質な問題の確保と,各大学の第2次試験との適切な組合せによる多面的・総合的な評価を通じて,きめ細かで,丁寧な入試の実現を目指して導入され,また,共通第1次学力試験の導入と同時に,大学間格差の顕在化を避けるため,国立大学の1期校・ 2期校制が廃止された。

共通第1次学力試験の導入に伴い,1)難問・奇問を排した良質な出題により,高等学校教育の基礎的な到達度を判定することが可能になり,2)この試験を利用する各大学における第2次試験についても,学力検査実施教科数が,平均5教科から平均2教科程度に削減され,―般選抜における学力検査以外の面接,小論文,実技検査,ヒアリングの実施や推薦入学,帰国子女・社会人等の特別選抜の導入が増加するなど,選抜方法の特色ある多様化が図られてきた。

例えば,共通第1次学力試験導入の前年度に当たる昭和53年度には,各国公立大学が実施する一般的な入学者選抜において面接を課す大学は全国公立大学の35%にすぎなかったものが,平成2年度では88.6%に達し,同様に,小論文については33.3%から84.1%へ,外国語のヒアリングについては7.5%から29.5%へと大幅に増加している。また,推薦入学を実施する大学も32.5%から75%に増加し,さらに,帰国子女特別選抜についてはわずかに0.8%(1大学)であったものが半数を超える52.3%に急増している。社会人特別選抜については,昭和58年度に2大学で初めて実施されたものであるが,平成2年度には21.2%の大学で実施されるに至っている (図1-2-26) 。このように,共通第1次学力試験導入の趣旨の一つであった入学者選抜の多様化が年々推進されてきているところである。

しかし,1)共通第1次学力試験が原則として5教科利用とされたこと等により,いわゆる大学の序列化等が顕在化し,また,2)国公立大学のみの入試改善にとどまったとの批判があるとともに,3)1期校・2期校制が廃止されたことに対して国公立大学の受験機会の複数化の要請等も寄せられていたところである。

1-2-26  国公立大学個別試験等の改善状況


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