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1部   高等教育の課題と展望
第2章  高等教育の現状と課題
第2節  拡大した高等教育の現状・課題と整備充実
5  専修学校(専門課程)



(1) 専修学校(専門課程)の役割と現状

専修学校は,社会の変化に対応した実践的な職業教育,専門技術教育を行う機関として昭和51年に制度が発足して以来,着実な発展を続けてきた。特に高等学校卒業程度を入学資格とする専修学校(専門課程)は,専修学校の全生徒数の77%を占める約61万人(平成2年5月現在)が在学する中心的な機関である。また,高等学校新規卒業者の中で大学,短期大学,専修学校(専門課程)に進んだ者の3人に一人は専修学校(専門課程)に入学しており,専修学校(専門課程)は高等教育の重要な一翼を担うに至っている。

専修学校(専門課程)は,学校数・生徒数ともに私立学校が中心を占めており,私立の専修学校(専門課程)は平成2年5月現在2,408校(全専修学校(専門課程)数の88.2%),約57万人(全専修学校(専門課程)生徒数の93.2%)に上っており,様々な分野で開設されている。一方,国公立の専修学校(専門課程)はその多くが病院や大学附属の看護学校などの医療関係の専修学校(専門課程)である (図1-2-17)

専修学校(専門課程)の生徒数は,昭和55年から10年間で1.8倍に増加しているが,中でも,情報処理を中心とした工業関係の生徒数の伸びが著しく,昭和62年以降最も多くの生徒が在籍する分野となっている(平成2年5月現在約18万人,昭和55年の2.8倍)。そのほか,商業実務関係,医療関係で生徒数が増加している反面,制度創設当時最も多くの在学生がいた家政関係分野は生徒数の減少が目立っている (図1-2-18)

男女別生徒数では,女子生徒数が約32万人(52.3%)で全生徒の過半数を占めているが,男子生徒が多い工業関係の拡大や,女子生徒が多い家政関係の縮小などにより,男子生徒の比率はこの10年間で11.7ポイントの増加を遂げている。

1-2-17  設置者別関係分野別生徒数の構成

1-2-18  専修学校(専門課程)の生徒数の推移


(2) 専修学校(専門課程)の課題
1) 社会の変化への対応

近年,我が国の産業社会は,急激な科学技術の複雑化,高度化やサービス産業化の進展に伴い,著しく変化してきている。このように変化する産業界の要請に対し,情報処理技術者教育の拡大など,専修学校(専門課程)は積極的にこたえてきたが,今後一層こうした社会の要請や時代の変化に対応した職業人の養成を行っていく機関として,その社会的役割が期待されている。

また,社会全体の高学歴化の中で,専修学校(専門課程)の充実と積極的な活用を図る観点から大学等との単位互換や各種の公的職業資格に関して専修学校(専門課程)を短期大学等と同等に扱うよう改善を図ることが今後の重要な検討課題となっている。


2) 進路指導の充実

専修学校(専門課程)は高等学校新規卒業者の進学先として大学,短期大学と並ぶ位置を占めていることから,高等学校における進路指導は極めて重要である。しかし,「専修学校に関する実態調査」によれば,専修学校(専門課程)の入学者の中で,高校で専修学校(専門課程)について「ほとんど聞いていなかった者」がどの関係分野でも30%を上回っているなど必ずしも十分な状況ではない。また,専修学校に関する情報の中には一部に不適切なものがあることも指摘されている。今後は,専修学校に関する正確で豊富な情報の普及とともに,高等学校における進路指導の一層の充実が必要である。


3) 生涯学習機能の充実

生涯学習体系への移行に向けて,今後,専修学校(専門課程)はより開かれた学校となっていくことが重要である。専修学校(専門課程)の在学生の88.8%は21歳以下の青年層で,30歳以上の成人は約1万人(2%)となっている (図1-2-19) 。また,専修学校(専門課程)で学ぶ社会人は約4万人である。今後拡大していくと予想される職業人や成人一般の学習需要に対応して教育内容や履修形態の改善充実を図っていく必要がある。

また,地域の学習希望にこたえ,専修学校の持つ教育力を地域に開放するために,専修学校が行う公開講座等を充実していく必要がある。

1-2-19 専修学校(専門課程)の生徒の年齢構成


(3) 専修学校(専門課程)の整備充実

高等教育及び生涯学習において専修学校(専門課程)が果たす役割の重要性を考慮し,文部省では,専修学校(専門課程)教育の振興を図るため種々の施策を講じている。


1) 教員の資質向上

専修学校の教員の資質の向上を図るため,昭和53年以降,(財)専修学校教育振興会が実施する教員研修事業に対して補助を行っている。


2) 教育条件の整備

科学技術の高度化に伴い,教育に必要な施設・設備も高度化・高額化が進行している。そこで,技術革新に対応する教育条件の整備を進めるため,昭和58年以降専修学校(専門課程)のコンピュータ等の大型教育装置の整備に要する経費について補助を行っている。


3) 教育内容や方法の研究

産業構造の変化や急速な技術革新の進展に伴い,専修学校(専門課程)における職業教育の高度化と質的向上を目的として,教育内容や指導方法に関して実践的な研究開発を専修学校(専門課程)に委託する研究指定校等の事業を実施している。

このほか,専修学校(専門課程)を日本育英会の育英奨学事業や日本私学振興財団の貸付事業の対象とするなどの施策を講じている。

一方,都道府県においても私立専修学校(専門課程)に対して経常費補助を中心に助成を行っている。さらに,昭和60年度からは地方交付税に専修学校補助が積算されるなど,専修学校(専門課程)に対する社会的評価の高まりとともに,逐年その充実が図られている。今後とも専修学校(専門課程)の教育内容・方法等の改善に向けて,これらの振興策の充実を図っていく必要がある。


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