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2部   文教施策の動向と展開
第9章  国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第3節  教育・文化・スボーツにおける国際交流・協力
2  文化の国際交流・協力


文化の国際交流は,我が国の文化の発展に資するとともに,諸外国との相互理解を増進するためにも極めて重要である。特に近年,世界の人々の日本文化に対する関心が高まってきており,日本に対する国際的理解の増進を図るとともに,日本が文化面でも国際的に貢献するため,国際的な文化交流を積極的に進めることが必要となっている。

文化の国際交流に関する各種の事業は,文化庁,国際交流基金,外務省及び民間レベルで活発に実施されているが,文化庁が行っている主な事業には次のようなものがある。


(1) 日本文化を紹介する展示・公演等

従来から諸外国において,国宝・重要文化財を中心とする日本古美術展を開催しているが,近年,日本文化に対する関心の高まりを反映して諸外国からの開催要請が増大している。昭和63年度は,アメリカのナショナル・ギャラリー・オブ・アートにおいて「大名の美術展」を開催し,好評を博したところである。

また,国際交流基金や民間の団体により海外で実施される日本の伝統美術展,古典・民俗芸能,現代音楽等の公演,日本映画祭等に対しては,文化庁でも事業の企画,実施について協力を行っている。


(2) 国際的芸術活動の推進

芸術関係団体が行う国際交流事業への助成を行うほか,各分野の芸術家を海外に派遣し,実地に研修させる芸術家在外研修事業を実施している。

また,昭和63年度から,企業など民間の協力も得て,我が国の代表的舞台芸術公演を海外の著名フェスティバル等に参加させる芸術活動特別推進事業を行っているが,平成元年度はその大幅な拡充を図り,国際的な芸術活動の推進に努めている。特に日米間においては,両国の舞台芸術の水準の向上と相互理解に資するため,我が国の現代舞台芸術をアメリカに派遣する日米舞台芸術交流事業を実施している。

さらに,アジア・太平洋地域諸国間との友好親善に寄与するため,これらの国々の代表的な民族芸能団を招へいして芸術祭国際公演を開催している。

このほか,平成元年度においては,新たに東京国立近代美術館フィルムセンターにおいて国際シンポジウムを開催するなど映画芸術の国際交流事業を行っている。


(3) 地域レベルの国際交流の推進

文化の国際交流の推進のためには,国民各層がそれぞれのレベルで文化の交流を行うことが必要である。このため,平成元年度から新たに国民文化祭や全国高等学校総合文化祭への海外の青少年及び地域の文化活動指導者等の招へい,我が国の参加者,団体等の海外派遣及び研修を行う国民文化国際交流事業を実施している。


(4) 文化財の保存修復等に関する協力

文化財の保存と修復に関する国際協力としては,毎年,東京国立文化財研究所において国際研究集会を開催するとともに,諸外国がら研究者を招へいして共同研究を実施している。また,世界的文化遺産である中国の敦煌莫高窟壁画の保存修復のため,昭和61年度から日中共同研究等を行っている。

平成元年度においては,これらに加え,アメリカのスミソニアン研究機構との共同研究,南アジアの仏教遺跡の保存整備のための基礎的な調査研究を行うとともに,東京国立文化財研究所をこの分野における国際的な協力・交流センターとして整備するための調査を行っている。


(5) 海外からの芸術家や文化財専門家の招へい等

平成元年度から新たに諸外国の優れた芸術家や文化財専門家を招へいし,博物館・美術館や文化団体などで共同制作,共同研究,指導などを行う海外優秀芸術家等招へい事業を行っている。

また,国際的視野から文化政策を考えるために,アメリカ,EC諸国からの参加を得て,各国の文化政策について比較研究を行う文化政策会議(仮称)を平成2年3月に東京で開催する予定である。


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