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2部   文教施策の動向と展開
第9章  国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第1節  施策の概要


今日では,国境を越えて人,物,情報などがダイナミックに交流しており,国家間の相互依存関係がますます深まってきている。しかし,方でこのような相互依存関係の深まりは,様々な側面での国家間の摩擦や緊張を増大させてきている。国家間の摩擦等を解消し,各国が共に発展していくためには,世界の各国の人々がそれぞれ国際社会の一員としての責任を果たしていくとともに,お互いに相手国の歴史や文化,習慣,価値観等を学び,相互の立場を理解していくことが必要である。そして,このような国際理解を高める上で,教育・文化・スポーツの分野における国際的な交流・協力を計画的・継続的に進めていくことが極めて重要な課題となっている。平成元年5月に提出された「国際文化交流に関する懇談会」の報告書においても,我が国が諸外国との相互理解を増進させ,世界の平和と発展に貢献するために,国際文化交流を強化していくことが緊急の国家的課題であるとの指摘がなされており,今後,国際文化交流の充実と,そのための基盤の強化を積極的に推進していくこととされている。各国の調和ある共存は,このような諸国民の相互理解の上に初めて成り立つのである。

以上の考え方の下に,我が国が教育・文化・スポーツの国際化を推進するに当たっては,特に次のような諸点を重視している。

第一は,世界の中の日本人として国際的にも信頼される人間を育てることである。すなわち,学校教育や社会における教育・文化活動の中で,世界の国々が持っているそれぞれ固有の歴史,文化,風俗,習慣等に対する理解を深める学習や外国語教育の充実に努めるとともに,日本人としての自覚を高め,我が国の文化や歴史に関する理解の向上を図る。

第二は,教育・文化・スポーツの各分野において諸外国との交流を幅広く推進していくことである。これらの分野においては,既に国,地方,民間団体等を通じて盛んに国際交流が行われており,今後とも国が行う交流事業の充実を図るほか,地方,民間団体等が行っている多様な交流事業がより一層発展していくよう,必要な援助・助言あるいは情報提供等を行う。

また,ユネスコ,国連大学,OECD等の国際機関の活動を通じた交流・協力や文化協定等に基づく交流・協力,さらには発展途上国に対する協力も引き続き推進する。

第三は,留学生交流を推進することである。留学生交流は,我が国と諸外国相互の教育・研究水準の向上及び相互理解と友好の増進に寄与するとともに,発展途上国の人材養成への協力など極めて重要な意義を有する。このため,有識者の提言を踏まえ,21世紀初頭に10万人の留学生受入れを目途に,幅広い施策を総合的に推進する。

第四は,外国人に対する日本語教育を充実することである。国の内外において日本語を学習する外国人が急増している現在,内外の高まる日本語学習熱に適切にこたえ,日本語教育の一層の拡充を図る。

第五は,海外子女・帰国子女教育を充実することである。近年,海外に居住する日本人が急増するに伴い,海外で生活する子どもの数も増加している。これらの子どもに対して日本国民にふさわしい教育の機会を提供するとともに,帰国後には海外で身に付けた長所を生かせるよう,適切な教育の機会を確保する。

なお,このほか,学術の国際交流・協力については,国際共同研究,研究者交流,国際研究集会,学術情報の流通等を行っている( 2部第5章第8節参照)。


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