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2部   文教施策の動向と展開
第6章  社会教育の振興
第4節  多様な学習機会の整備
3  高齢者の学習



(1) 高齢者の学習需要

我が国の平均寿命は,昭和22年には男50.1年,女54.0年であったが,生活水準の向上,医療体制の整備などを背景に伸長し,昭和63年には男75.5年,女81.3年となり,いよいよ人生80年時代を迎えた。

昭和61年6月に閣議決定された「長寿社会対策大綱」においては,人生80年時代にふさわしい経済社会システムの構築の必要性を示し,1)雇用・所得保障,2)健康・福祉,3)学習・社会参加,4)住宅・生活環境の広範な分野にわたる諸施策を総合的に推進することとしている。

高齢者の生涯学習への意識を,昭和63年度の「生涯学習に関する世論調査」(総理府)でみると,「知識・教養を高め,趣味を豊かにするため」が最も多いが,他の世代に比べ,「社会の進歩に遅れないよう,世の中のことを知るため」が多いことが特徴付けられる( 2-6-2 )。

学習の方法としては「地域や職場のサークル・グループ活動に入る」(59.1%),「公民館などが行う講座・教室に通う」(47.6%)を挙げる人が多数を占めるなど,社会教育に対する期待が高い。

2-6-2  高齢者の生涯学習の目的


(2) 高齢者の学習機会の整備と学習成果の活用

高齢者の生きがいある生活を実現するため,魅力のある学習の場と,高齢者の持つ優れた経験を生かすことのできる社会参加の場の拡大が図られている。

地方公共団体,特に教育委員会や公民館が行っている学級・講座は,高齢者の体系的な学習の場として,大きな役割を果たしている( 2-6-3 )。これらの学級・講座のうち99%は,市町村が実施しているものである。

その内容を教育委員会,公民館が実施している学級・講座について,昭和52年度と昭和61年度を比較すると,体育・レクリエーションが大幅に増加している一方,市民意識・社会連携に関するものは減少している。

また,近年,家庭生活・職業知識に関するものも増加している。

また,知事部局・市町村長部局の実施する学級・講座も増えており,昭和60年度には2万4,587(市町村が91%)と,ほぼ教育委員会や公民館が実施するものと同程度になっている。

高齢者の学習においては,楽しみのための学習という要請が一般的であると考えられるが,一方で,高度で専門的な学習の要請も存在している。高齢者の学習要求の多様化・高度化に対応し,文部省では,平成元年度より,地域の大学や民間教育事業等と連携を図りながら,幅広い分野と高度な内容を持つ「長寿学園」を開設し,修了者を地域活動の指導者として積極的に活用する事業を実施している。このような高齢者のための総合的な学習機会の提供は,学習を通じて,高齢者の仲間づくり,社会参加への道が開かれることとなり,大きな意義を有している。

また,高齢者の生きがいを総合的に高めるため,福祉関係部局や老人クラブなど関係団体との連携を図り,高齢者の生きがい対策を効果的に行う「高齢者の生きがい促進総合事業」を実施している。この事業では,高齢者教育促進会議の設置,高齢者教室,ボランティアの養成講座,高齢者の人材活用,高齢者と若い世代の交流,高齢者の社会参加や生活上の諸問題に応じる事業などを実施している。また,平成元年度がらは,新たに,高齢者の国際理解を促進するセミナーの開催,及び,若年期がら中高年に至る人々に高齢者問題を考えてもらうシンポジウムの開催を事業内容に加えた。

今後とも,豊かで活力ある長寿社会の実現に向け,高齢者の生きがいを促進する事業を積極的に推進していく必要がある。

2-6-3  教育委員会と公民館における高齢者対象の学級・講座の状況


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