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2部   文教施策の動向と展開
第5章  学術研究の振興
第6節  重要基礎研究の推進
2  宇宙科学


宇宙科学は,科学衛星等の宇宙飛翔体を用いて,宇宙の諸現象,諸法則を解明し,人類の知的財産の増大に寄与するとともに,宇宙開発の牽引力としての役割を果たしている。また,科学衛星及び同衛星打上げ用ロケット等に関する宇宙工学技術の研究開発は,宇宙技術発展の先駆的役割も果たしている。

我が国の宇宙科学については,文部省宇宙科学研究所が中心となり,全国の大学等の研究者の参加の下に,宇宙空間や地球周辺の諸現象を科学衛星及び観測ロケット等により観測・研究するとともに,科学衛星及び同衛星打上げ用ロケット等の観測手段や観測方法の研究開発等を推進している。

同研究所では,これまでに18個の科学衛(惑)星を打ち上げ,ハレー彗星探査,X線天文観測等で世界をリードする数多くの研究成果を挙げている。

平成元年2月に打ち上げた磁気圏観測衛星「あけぼの」は,オーロラの姿を撮像するとともに,オーロラを引き起こしている荷電粒子等を直接観測し,オーロラに関連した磁気圏の物理現象の解明を目指すものである。また,この衛星には,国際共同研究としてカナダが製作した観測装置も搭載されており,国際協力にも大きく寄与している。

今後は,太陽活動極大期観測,宇宙最深部のX線観測等のための衛星を打ち上げるほか,将来の惑星探査に必要となる技術の確立,大型宇宙構造物の展開試験等のための工学実験衛星の打上げや多目的,再使用可能な無人宇宙実験室である宇宙実験・観測フリーフライヤの開発・打上げを計画している。

また,日米協力事業として,地球磁気圏尾部の構造等に関する観測研究のため,宇宙科学研究所が衛星の開発を,NASA(米国航空宇宙局)が打上げ等を担当して,磁気圏観測衛星を打ち上げる計画を進めている。

さらに,今後,X線天文学,電波天文学等の分野で,国際的主導権を確保し,また,月・惑星探査等の道をひらくために,従来より規模の大きい科学衛星の打上げを計画しており,平成元年6月に改定された「宇宙開発政策大綱」(宇宙開発委員会策定)において,科学衛星打上げ用ロケットの大型化を図ることが認められた。

また,国立天文台野辺山宇宙電波観測所では,宇宙から到来する電波を利用した天体観測などが行われている。同観測所の直径45mの大型宇宙電波望遠鏡はミリ波観測としては世界最高の性能を有し,原始太陽系や未知の星間分子の発見など画期的な研究成果を挙げている。


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