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2部   文教施策の動向と展開
第5章  学術研究の振興
第2節  研究費の充実
2  科学研究費補助金の拡充


科学研究費補助金は,人文・社会科学から自然科学までのあらゆる分野の優れた学術研究を格段に発展させることを目的とする研究費で,学術振興の基幹的経費として学術研究の進展に大きな貢献をしている。これまで,この補助金により,基礎科学の分野において,数多くの独創的,革新的な新知見を生み出し,優れた研究者グループを育て,新しい研究領域を開拓するなど多大な成果を上げている。

近年における例としては,生体の情報を伝達するプロテインキナーゼCという酵素の発見,大マゼラン星雲の超新星の大爆発に際し発生したニュートリノの観測,超微量物質フロンガスの測定・解析の成功等の成果が数えられる。

平成元年度の予算額は526億円(対前年度37億2,000万円,7.6%増),申請課題数は約6万1,000件(対前年度2,000件増)である。

この補助金は,研究の内容,性格等に応じ,次のような区分がされ,研究者の多様な研究ニーズにこたえている。

2-5-3  科学研究費補助金の申請・採択状況

1) 国際的レベルで最先端を競っている先駆的な研究の推進(「特別推進研究」,23億5,500万円(対前年度5,500万円,2.4%増))
2) 新材料等の先端科学技術開発のための基礎研究やがん対策を始めとする生命科学等の特に振興を図るべき重要な研究分野・領域の積極的な推進(「重点領域研究」等,151億4,000万円(対前年度15億7,000万円,11.6%増))
3) 学問分野全体の水準向上と基盤的整備(「一般研究」等,192億5,000万円(対前年度8億3,000万円,4.5%増))
4) 学術の国際化に伴う共同研究,国際交流の支援等(「国際学術研究」,28億円(対前年度5億500万円,22.0%増))
5) 実用に移される可能性を持つ学術研究の促進と産業界等との社会的連携の推進(「試験研究」,44億8,500万円(対前年度3億9,000万円,9.5%増))
6) 大学等の若手研究者の養成・確保及び科学の芽を育てるための小・中・高等学校の教員や民間研究者の研究の奨励(「奨励研究」,49億4,000万円(対前年度2億円,4.2%増))など。

このうち,昭和62年度から新たに設けられた「重点領域研究」は,学術的・社会的要請の強い領域の研究を一定期間(3〜6年)に限って重点的かつ機動的に推進するもので,「人間-環境系の変化と制御」,「燃焼機構の解明と制御に関する基礎研究」など,41の研究領域について研究が進められている。平成元年度においては,更に「日本語音声における韻律的特徴とその教育に関する総合的研究」,「エイズの総合的基礎研究」等,19の研究領域をその対象に加え,計60の研究領域となった。

文部省では,この補助金が我が国の学術研究に果たす役割の重要性に着目し,なお一層の拡充に努めることとしている。


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