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2部   文教施策の動向と展開
第2章  生涯学習の振興
第3節  生涯学習と学校
3  学校へのアクセスの多様化


生涯学習社会へ移行するためには,大学等に社会人を積極的に受け入れる方策を検討することが必要である。社会人,特に有職者は時間的余裕に乏しく,学習歴や日常の学習環境,知識,経験等も異なっている。

また,その学習目的は,必ずしも卒業を目指したものとは限らない。

このような社会人を大学等に受け入れるためには,若年のフルタイムの学生の場合とは異なった学校へのアクセスを確保することが必要である。例えば,夜間や通信による教育は,授業時間や教育方法を工夫することにより,大学入学資格検定制度や社会人の別枠受入れは,受験資格や入学者選抜について工夫することにより,また,聴講生,研究生の制度は,特定の科目のみの履修を認めることにより,いずれも学校へのアクセスを容易にし,学習機会の拡充を図るものである。


(1) 夜間部(定時制)・通信教育

夜間部(定時制)・通信教育は,時間的・経済的事由からフルタイムの学習が困難な者に対する学習の機会として重要な意味を持っている。大学及び短期大学の夜間部の在学者数(平成元年度)は,大学が約11万8,000人(全学部学生の約6.1%),短期大学が約2万5,000人(全本科学生の約5.6%)であり,また,通信教育の在学者数(平成元年度)は,大学が約12万6,000人,短期大学は約2万6,000人となっており,夜間部・通信教育ともに近年,在学者数はほぼ横ばいとなっている。

昼間における履修をも一部取り入れたいわゆる昼夜開講制も昭和53年から一部の国立大学で開設され,昭和63年度現在,8国立大学10学部に広がっている。

一方,高等学校の定時制,通信制課程は,これまで勤労青少年に高等学校教育の機会を保障する上で大きな役割を果たしてきた。その在籍者数(平成元年度)は,定時制課程約15万2,000人(全高等学校在籍者数の約2.7%),通信制課程約16万4,000人(同2.9%)となっている( 2-2-4 )。


(2) 大学入学資格検定制度

大学入学資格検定制度は,勤労青少年に対し,能力に応じて広く大学教育の機会を与えるために設けられた制度であり,高等学校教育を受けられなかった者等がこの資格検定を受け,一定の科目に合格した場合により,受検者が多様化するとともに,受検者数も大幅に増加し,平成元年には1万4,560人が受検し,3,890人が合格している( 2-2-5 )。

このため,今後は,その基本的な性格は維持しながら,このような実態の変化に着目し,生涯学習の観点から大学教育に対するアクセスの多様化を図る方策の一つとして,検定科目や検定方法等を検討することが必要である。

2-2-4  高校定時制・通信制在学者数


(3) 社会人入学

社会人を対象とする特別選抜制度を導入する大学は増加し,昭和62年度においては51大学,その特別選抜による入学者は1,143人となっている。

また,大学院については,平成元年度に開校した筑波大学大塚地区の夜間大学院で,2研究科合わせて定員50名に対し,1,100名が志願するなど,社会人の大学院入学への意欲は極めて大きなものとなっており,受入体制の整備が課題となっている( 2-2-1 )。

2-2-5  大学入学資格検定受検状況

2-2-1  平成元年度筑波大学夜間大学院志願状況


(4) 聴講生,研究生等

聴講生,研究生は,教育課程の全部の履修を目的とする正規の学生とは異なり,大学等の授業の一部を履修することを目的として,各大学の学則によって慣行的に認められてきたものである。おおむね聴講生は,高等学校卒業程度を資格として履修期間1年以内に1〜数科目を履修するものであり,研究生は,大学卒業程度を資格として履修期限はほぼ1年で特殊な専門事項の研究を行うものである。大学,短期大学の聴講生,研究生の数は,平成元年度で約5万人(全学生数の約2.0%)に上っている( 2-2-6 )。

大学及び高等学校の専攻科,別科も,正規の課程とは別に1年以上のコースとして特定の事項・技能の研究・教育を行う制度であり,平成元年度現在,その在籍者数は,大学,短期大学の専攻科4,182人,別科4,098

2-2-6  大学,短期大学における聴講生,研究生等


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