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2部   文教施策の動向と展開
第2章  生涯学習の振興
第2節  生涯学習基盤の整備
4  文教施設のインテリジェント化の検討


生涯学習体系への移行を推進するためには,人々の生涯にわたる学習機会を整備・再編するとともに,多様化・高度化する学習ニーズにこたえる学習環境の整備を図る必要がある。この場合,文教施設は生涯学習社会の基盤施設としての役割が期待されており,これを実現するために文教施設の新たな在り方が求められている。

このような要請に対応するため先の臨時教育審議会答申ではインテリジェント・スクール構想として「教育・研究・文化・スポーツ施設を社会共通の学習基盤として有機的に活用することが必要である。このため,高度の情報通信機能と快適な学習・生活空間を備えた本格的な環境として施設を整備するとともに,地域共通の生涯学習,情報活動の拠点として,その機能を最大限有効に活用する方策(インテリジェント化)を,地域の状況や施設の特性に応じて進めていく。」と述べられている。

この答申を受けて,文教施設のインテリジェント化を推進していくために次のような検討を行っている。

第一は,人々の多様で高度な学習ニーズに対応し,主体的な学習活動多機能化・高機能化を図る必要があり,従来の諸機能に加えて新たな機能を付加したり,新しいタイプの施設を設置することなどを検討する。

特に,人々を適時適切な学習機会に導くため文教施設に学習情報提供機能及び学習相談機能を持たせたり,地域における生涯学習の中核施設(生涯学習センター等)を設置することなどが求められる。

第二は,有機的に連携した施設・環境の創造である。人々の多様で高度な学習ニーズに応えるためには,地域全体の学習環境を高める必要がある。このため,文教施設や学習関連施設を総合的かつ体系的に整備・再編するという観点から,文教施設間,あるいは文教施設と他の学習関連施設との有機的なネットワーク化と連携協力関係の確立が必要である。

この場合,各施設が連携した総合的な学習機能を高める施設・環境の在り方として,内容の充実した施設・環境の相互利用や共同利用を図ったり,条件が整えば幾つかの施設を複合化し,その相乗効果によって単独の場合とは異なった活発な利用状況をつくり出すことが重要である。また,既存施設を有効に活用するという観点から,学校施設の地域開放を積極的に推進し,地域の学習基盤として一層活用することが重要である。

第三は,情報通信・処理機能の導入である。情報化社会の急速な進展に伴って,教育・研究・文化・スポーツなどそれぞれの諸活動において情報手段を有効に活用すべきであり,このためには文教施設の情報化を一層推進する必要がある(第2部第10章第5節参照)。特に情報基盤整備の観点から,人々の生涯学習を支援する学習情報ネットワークや,学術研究の高度化に対応した学術情報ネットワークの整備拡充を推進する。

第四は,快適で豊かな施設・環境の創造である。文教施設は,知識の伝達・習得や知的生産,芸術・文化の創造や継承,スポーツ活動など優れて人間的な活動が行われる場である。したがってそれは人間性,文化性,自然との調和等に配慮し,魅力的で個性的な施設・環境として整備する必要がある。

このような考え方に基づき,各地で,生涯学習社会に向けた文教施設整備の新たな試みが行われている。例えば,高等学校,生涯教育センター及び情報処理教育センターを複合施設として一体的に整備し,有機的に相互活用している事例(名古屋市),小学校の改築事業に伴い,幼稚園,社会教育館及び屋内温水プールを併せて複合化し,施設全体を生涯学習の拠点とするとともに,高度情報通信機能の導入や,人間的で豊かな施設環境の創造を目指した事例(東京都台東区,整備中)などがある。

文部省では,昭和62年度から63年度にわたり文教施設のインテリジェント化に関する研究を熊本県,富山県滑川市,東京都台東区等に委託した。また,文部省においても昭和63年度から学識経験者等の協力を得て調査研究会議を開催し,文教施設のインテリジェント化の在り方や推進方策等について具体化に向けた検討を進めている。さらに,文教施設のインテリジェント化を推進するため,地域文教施設の配置や相互の連携協力体制,複数の文教施設や学習関連施設等からなる生涯学習地区,学習情報ネットワークの構築等に関する先導的な整備計画の策定を地方公共団体等に委嘱するモデル整備計画策定事業を実施する予定である。



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