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2部   文教施策の動向と展開
第1章  教育改革の推進
第3節  第14期中央教育審議会の活動
  教育改革に関する当面の具体化方策について


                       昭和62年10月6日

                       閣議決定

今次教育改革の推進に当たっては,臨時教育審議会答申に示された教育の基本的在り方及び教育改革の視点を踏まえつつ,広範多岐にわたる諸提言について相互の関連及び既存の施策との整合性等を図りながら,それらの着実な推進に努める必要がある。このため,当面,下記方針により,総合的観点から所要の改革方策の検討,立案等を進め,逐次その実現に努めるものとする。

             記


生涯学習体制の整備
(1)国民の生涯にわたる多様な学習活動の振興のため,都道府県における生涯教育推進体制の整備促進及び市町村における教育・文化・スポーツ施設の整備並びに放送大学による学習機会の拡充等を中心とする生涯学習の基盤整備等に努める。
(2)生涯にわたる学習機会を総合的に整備する観点から,民間教育事業との連携の在り方を含め社会教育に関連する法令の見直しに速やかに着手し、成案を得る。
(3)社会における学歴偏重の弊害を是正するため,総合的観点から,企業・官公庁生涯にわたる学習の成果が適正に評価される社会の形成に努める。
(4)職業生涯を通じ職業能力開発を総合的に推進するため,企業における職業能力開発の振興,社会人が学習できる場としての大学・大学院等の整備,職業訓練施設等の整備,育成及びこれらのネットワークなどの仕組みについて検討する。また,勤労者の自己啓発を促進するため,労働時間の短縮,有給教育訓練休暇制度の普及等を図る。
(5)幼児から高齢者まで生涯を通じてその健康や体力などに応じたスポーツ活動等を振興するため,各種スポーツ・レクリエーション行事の拡充,指導者の充実等に努めるとともに,民間活力の導入等による一定の地域を総合的かつ重点的に整備するための施策について所要の調査研究を進める。
(6)競技スポーツの向上を図るため,その基盤となる青少年のスポーツ活動等を促進するとともに,競技力向上のための諸般の環境条件の整備に努める。
(7)スポーツ活動の振興の推進に資するため,民間有識者等の協力を得つつ,速やかにその振興方策につき所要の検討を行う。

2 初等中等教育の改革
(1)道徳教育の充実を含む教育内容を改善するため,新学習指導要領等を昭和63年秋(高等学校昭和64年春)に告示し,逐次実施に移す。
(2)教科書検定制度等の改革を昭和63年度中を目途に行い,新学習指導要領に基づき編集される教科書から逐次適用する。
(3)教員の資質向上を図るため,初任者研修制度の創設のための所要の準備を進める。併せて,教員の養成・免許制度の改善のための所要の準備を進める。
(4)小・中学校の40人学級の実施を含む教職員定数改善計画の着実な推進に努めるとともに,児童・生徒数の推移等を勘案しつつ,過大規模校の早期解消に努め,学校規模の適正化を推進する。
(5)後期中等教育の多様化・弾力化を推進するため,単位制高等学校の創設について速やかに検討を進めるとともに,高等学校(定時制・通信制)の修業年限の弾力化について所要の準備を進める。
(6)児童生徒に自然環境の中で生活する機会を増大させることにより,心身を鍛え,豊かな情操を涵養するための施策を積極的に推進する。

3 高等教育の改革等
(1)国民や社会の様々な要請に応えるため,大学審議会の審議を踏まえつつ,大学の個性化,多様化,高度化及び活性化を図る。このため,大学設置基準の大綱化・簡素化,学位授与機関を含めた学位授与の在り方,大学教員の選択的任期制の導入等を含めた大学の組織・運営の改革等大学改革の諸課題の検討及び具体化を積極的に推進する。
(2)大学院の充実と改革を図るため,大学院全般の整備並びにその高度化及び多様化を推進する。また,国立大学共同利用機関等を母体とした大学院及び高度の先端科学技術に関する教育研究を行う大学院の構想の具体化について準備,検討を進める。
(3)昭和65年度大学入学者選抜から新テストを導入することを目途に所要の準備を進める。また,受験生や高校に対する情報提供活動の充実を図る。
(4)私学の学校教育に果たす役割の重要性にかんがみ,特色ある教育研究プロジェクトに対する助成等を重視しつつ,私学助成を推進する。

4 学術の振興
(1)独創的,先端的な基礎研究の発展を図るため,科学研究費補助金の拡充,若手研究者の育成及び重点的に推進する必要のある分野の基礎研究を積極的に推進する。
(2)大学に対する多様な社会的要請に適切に対応するため,民間等との共同研究の実施,共同研究センターの整備等に努める。
(3)国際交流を通じて学術の発展と国際社会への貢献を図るため,研究者交流,国際共同研究等を推進する。

5 時代の変化に対応するための改革
(1)留学生受入れの増大に対応し,大学等における教育指導体制の充実,宿舎の整備,私費留学生に対する支援等受入れ体制を整備・充実する。 併せて外国人に対する日本語教育の充実を進める。
(2)外国語教育の改善等に資するため,事業主体となる地方公共団体等と連携を図りつつ,語学指導等を行う外国青年の招致を拡充する。また,国際化の進展に伴う海外子女の増大に対応し,海外子女・帰国子女教育の充実を図る。
(3)学校教育,社会教育等を通じて情報活用能力の育成に努めるとともに,大学等教育内容の改善,情報機器の整備,教員研修の充実,学習指導用ソフトウェアのモデル開発研究等を推進するとともに,既存の学部・学科の改組・転換等により大学の情報関係学部・学科の拡充に努める。
(4)独創的,先端的な学術研究を生み出すための基盤を整備する観点から,学術情報を迅速・的確に提供し,研究成果を普及するための学術情報システムの整備及び大学の研究者等によるデータベースの作成等を推進する。

6 教育行財政の改革
(1)生涯学習体系への移行に積極的に対応するとともに,政策機能の強化を図るため,昭和63年7月を目途に文部省の機構改革を行うべく昭和63年度予算編成過程において具体的成案を得るよう努める。
(2)国立教育研究所を文部省の政策立案に資するための調査研究の強化及びカリキュラム,教材,指導方法等に関する調査研究のセンター的機能を持つものに改組・再編することとし,速やかに所要の検討を進める。
(3)教育委員会の活性化を図るため,教育長の任期制及び専任制(市町村)の導入について検討を行い,所要の準備を進めるとともに,教育委員会の組織及び運営の改善充実に努める。
(4)教育改革の推進に当たっては,教育,学術,文化,スポーツの各分野が総合的,有機的に関連していることにかんがみ,これらの施策の一体的推進を図る必要がある。このため,教育財政において,これらの文教施策の全分野にわたり,臨時教育審議会答申の趣旨に沿って,教育改革を推進するため,必要な資金の重点配分等財政上配慮する。

7 教育改革の推進体制

政府に教育改革推進のための機関を設置する。


8 その他

臨時教育審議会の答申において提起された上記以外の改革提言については,答申の趣旨に沿って具体化方策の検討を進め,逐次実施に移すものとする。


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