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1部   初等中等教育の課題と展望
第3章  諸外国における初等中等教育の動向
第6節  ソ連
3  教員の資質向上


一人一人の子どもの個性の発達を重視する教育を推進するために,教師の意識改革が現在重要な課題となっている。

初等中等教育学校の教員は,総合大学,教員養成大学及び師範学校で養成される。教育のペレストロイカの動きと連動して,これらの機関では質の高い教員養成のために,入学者定員の拡大,選抜方法の改善や教育課程,教科書の改訂が行われている。履修要目においては,教育心理学,教授法などの教職専門科目にあてる時間数が増やされ,第1学年からの教育実習の導入,養成年限の延長(一部の専攻につき4年から5年へ)の措置もとられている。

初任者研修の期間は大学卒業後3年間とされ,ベテランの教師のもとで,教授法の秘訣を学ぶ。教員の資格は研修修了後に初めて与えられる。

現職教育については,5年に1度1〜2ヶ月の間職場を離れ,教員研修所又は大学において教授の技術を高めるための研修を受けることが義務づけられている。また,週1日の研修日の導入など自己研修のための条件が整備され,通信教育や,ラジオ,テレビなどの番組を利用して自己研修が行われる。ソ連邦国民教育国家委員会は,優れた教育実践の発掘と普及のために,教師集団による授業研究活動も積極的に行い教師の専門性を高めることを奨励しており,ジャーナリズムと連携した授業研究集団のネットワークが各地に広がっている。

教員の適格審査は所管の教育行政機関により5年に1度行われ,優秀な教師には,「教授法熟練者」,「上級教師」などの称号が与えられ,昇給される。また,各学校の学校評議会は,この審査の時期とは関わりなく,不適格とみなされる校長や教師の罷免を教育行政機関に要求することができる。

教員の社会的地位と処遇の改善については,1984年に発表された学校改革の基本方針に従い,1986年度までに教員給与の引上げ(平均30〜35%)が完了し,初等学年(第1〜4学年)担当教員の週当たり受持ち授教員の初等学年への配置の措置も順次講じられている。しかしながら,教員の給与は依然として全職種の平均給与より低く,住居の不足とともに現在も深刻な課題となっている。


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