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1部   初等中等教育の課題と展望
第3章  諸外国における初等中等教育の動向
第4節  フランス
3  教員の資質向上


学校における学習成果を上げる鍵として,第2期ミッテラン政権は,教員の任務・役割の再定義とともに養成制度の改正,教員カテゴリーの再編,教員給与の大幅改善等を大きな課題として取り上げている。

授業運営に係る教員の新しい任務・役割については,従来のように各教員の個々ばらばらの教授実践にすべてをゆだねることをせず,基本的に「教授チーム(equipespedagogiques)の中にあって仕事をする」体制を推進する旨が,ジョスパン法にうたわれている。教授チームは,同一の学級を担当する教員たち又は同一教科領域を担当する教員たち等に不満をかくさない教員も少なくないと伝えられる。

中等学校教員の養成・研修のための大学付設の機関(「大学付設教員教育センター」InstitutsUniversitairesdeFormationdesMaitres)を1990年度から設置することがジョスパン法で定められた。これにより,この機関が現行の師範学校と中等学校教員養成センターとを統合再編するものとなる。

さらに,特に中学校(コレージュ)の教員の質の向上を重視し,中学校正教員(professeursdecollHege)という教員カテゴリーを新設する計画も発表された。現在の全中学校教員の約半数を占める中学校簡易普通教育教員(PEGC教員。大学2年修了相当が資格要件とされ,就職後は2科目以上を担当)を廃止し,その養成条件も現行の高校正教員(CAPES)のレベルにまで引き上げることを目指すもので,学士号取得レベルを受験資格とする競争試験によって認証するとしている。またその地位・昇進等についても,高校正教貝のそれに準ずるものとし,したがって1科目の授業しか担当しないこととなる。

なお,教員の待遇については,伝統的に教員給与が劣悪であった(額面だけを単純比較すれば,最高受給者でも「恵まれた民間会社の初任給並み」とFEN幹部がこぼすほど低いといわれている)ところへ加えて,ジョスパン法案を始めとする現政権の一連の改革構想が一般に教員の負担の強化を求めるものと予想されたため,教員組合側は1988年以来強硬な姿勢で待遇改善運動を展開し,数次にわたり大規模なデモ,ストにも訴えてきた。結局,1989年4月,ジョスパン文相が初等中等学校教員について初任給の大幅なアップ,昇給率や諸手当の改善,毎年6,000人への「サバティカル休暇」(1年の教育有給休暇)の適用といった一連の破格の待遇改善案を提示したことによって,ようやくFENなど主流組合の基本的合意を得るところまできた。

ジョスパン改革の成否は,一にかかつて教貝の積極的・主体的な参加のいかんにある(ル・モンド紙)といわれるだけに,この待遇改善の結果が注目されている。

1-3-9  21世紀のバカロレア取得率予測


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