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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第14節  教員の資質能力の向上
3  初任者研修制度の創設


教員になりたての時期は,教員としての自覚を高めるとともに,円滑に教育活動に入り,独り立ちして教育活動を行える下地を身に付ける上で極めて大切な時期である。この時期に,日々の仕事に即した,しかもまとまりのある研修を実施し,実践的な指導力や教員としての使命感を深めることは,その後の教員としての成長に欠くことのできないものである。初任者研修制度は,このような考え方に立って,新任の教員に対して,全国的に,一定水準の研修を行う制度である。

文部省では,初任者研修の制度化を図るため,臨時教育審議会及び教育職員養成審議会答申に基づき,「教育公務員特例法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」を昭和63年2月に第112回国会に提出した。同法律案は,同年5月に可決成立し,平成元年4月1日から施行されている。

初任者研修は,全国的に一定の水準を保ちながら行う必要があるため,新任教員の任命権者である都道府県・指定都市教育委員会が行うこととしている。また,初任者研修の対象者は,国立及び公立の小学校,中学校,高等学校,特殊教育諸学校の新任教貝であり,幼稚園の新任教員については,幼稚園の現状などを考え,当分の間,初任者研修とは異なる研修を実施する予定である。

初任者研修は,実践的な指導力と使命感を養うとともに幅広い知見を得させるため,教諭としての仕事を行う上で必要な事項(基礎的素養,学級経営,教科指導,道徳,特別活動,生徒指導等)に関して,日々の仕事に合わせて,これに役立つような研修を行うものである。なお,初任者研修の期間は,学校が行う教育活動が1年を単位として行われていることに合わせて,1年としている。

新任教員は,学級や教科・科目を担当しながら,学校内において週2日程度(少なくとも年間60日程度)の研修を受けるとともに,学校外において週1日程度(少なくとも年間30日程度)の研修を受ける。

このうち,学校内においては,経験豊かな先輩の指導教員から,新任教員の個性や成長に応じて,教科指導や学級経営などについてアドバイスを受ける。また,学校外においては,教育センター等において講義,演習,実技指導などを受けるほか,他の種類の学校や,社会教育施設などについての理解を深めたり,宿泊研修や民間企業の参観,ボランティア活動などを体験したりする。さらに,一部の新任教貝については,洋上研修(船内で研修を行い,寄港地で産業施設,文化施設などを訪問する。)を受ける。

なお,初任者研修は,平成元年度から学校の種類(小学校,中学校等)ごとに段階的に実施し,平成4年度からすべての学校について実施する。

初任者研修の実施に先立って,昭和62年度から,研修内容,研修方法の望ましい在り方を実施に即して研究するため,各都道府県・指定都市においては, 一部の新任教員を対象として初任者研修の試行が行われている。

その結果,各都道府県・指定都市とも,初任者の力量が著しく向上しただけでなく,初任者を育てていこうとする雰囲気が教職員全体に醸成され,研修に対する意欲が強まり,学校全体が活発になったと評価している。

平成元年度においては,小学校については初任者研修を実施し,中学校,高等学校及び特殊教育諸学校については,初任者研修の試行を継続している。


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