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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第13節  40人学級の実施等教育条件の整備
2  公立学校施設の整備



(1) 公立学校施設整備の推移と現状

1) 国庫補助制度の沿革

公立学校施設に対する国の補助は,戦後,戦災により大量に焼失した校舎の復旧に加え,新学制発足による中学校校舎の整備に対する予算上の措置として始まった。

これらの予算補助は,昭和28年の「公立学校施設費国庫負担法」等を経て,昭和33年に「義務教育諸学校施設費国庫負担法」等が制定されたことにより,法律に基づく恒久的な補助制度となり,現行制度の根幹が形成された。

以降,同法は,負担対象事業の拡大,負担率の引上げ,児童生徒急増市町村に対する特例措置の創設等所要の改正が行われ,現在,同法に基づいて,小中学校等の校舎・体育館の新増築に対して2分の1,改築に対して3分の1の国庫負担が行われている。このほか,他の法令の規定に基づき,あるいは予算補助により,公立学校施設整備のために,種々の国庫補助(負担)が行われている。

2) 施設整備の推移と現状

このような国庫補助(負担)制度の充実を背景に,公立学校の設置者である地方公共団体のたゆまざる努力によって,学校施設は計画的な整備が進められ,教育条件の向上が図られてきている。

公立小中学校の施設整備の推移をみると,昭和40年代,50年代に児童生徒数の自然増(第二次ベビーブーム)や社会増(人口の都市集中)に対応した施設整備が進められたこと及び国庫補助(負担)基準面積の引上げ等により,建物(校舎,体育館,寄宿舎)保有面積が著しく増加してきているとともに,児童生徒一人当たり校舎面積も昭和63年度では昭和30年度の約2.5倍と大幅に向上している。

また,木造危険校舎等の解消や改築基準の緩和措置等により建物の鉄筋化が着実に進められてきている( 1-2-9 )。

1-2-9  公立小中学校建物保有面積等の推移


(2) 学校施設の整備充実

学校施設の整備にあたっては,今後,以下の点に十分留意しながら,その充実に努めていく必要がある。

1) 学校規模の適正化等に伴う施設整備

児童生徒数は全国的には減少傾向を続けているものの,大都市及びその周辺部など地域によっては,なお不足教室の整備を行う必要がある。

また,教育指導上,学校管理上多くの問題が指摘されている過大規模校(31学級以上の小中学校)は,昭和63年度現在で982校となっており,これらについても,今後とも引き続き解消の推進を図っていく必要がある。

2) 既存建物の改築・改造

また,昭和30年代,40年代に大量に建築された鉄筋校舎の老朽化等に対応するため,既存の学校建物の適時・適切な改築・改造を進める必要がある。このため,危険建物の改築基準の緩和を図るほか,昭和58年度に大規模改造事業に対する補助制度を創設し,逐次,制度の改善を図ってきている。

3) 教育環境の整備充実

今後の学校施設の整備に当たっては,引き続き,必要な量的整備に努めるとともに,人間性豊かな児童生徒を育成する教育環境づくりという観点から,その一層の質的充実を図っていく必要がある。文部省では,こうした観点に立って,昭和57年度以降,アスレチックコースや屋外ステージなどの整備(屋外教育環境整備),集団宿泊研修施設の整備(中・高等学校セミナーハウス),木材を利用した和室やプレイルーム等への余裕教室の改造整備等(木の教育研修施設)及び部室の整備事業に対する補助制度を創設してきている。さらに,学校施設の地域社会への開放を推進する観点から,校舎や体育館の開放に必要なミーティング室や更衣室等の整備(クラブハウス整備)に対する国庫補助を行っている。

また,教育方法の多様化に対応するため,昭和59年度に,様々な学習指導方法や児童生徒の生活,活動の場として活用できる多目的教室(多目的スペース)の整備を国庫負担の対象とする制度改正を行うとともに,情報化に対応するための施策として,平成元年度には,余裕教室等のコンピュータ教室への改造及びこれと一体的に整備するコンピュータ機器についても,大規模改造事業の補助対象とできるよう制度改正を行った。

今後,これらの補助(負担)制度を活用しながら,地域の実情に応じ,創意と工夫をこらした,施設整備の推進が期待される。


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