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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第8節  後期中等教育の多様化・弾力化
4  高等学校入学者選抜方法の改善


高等学校の入学者選抜方法については,各都道府県においてその実情を踏まえ改善が行われてきた。しかし,近年,いわゆる偏差値問題や受験産業への依存,過度の受験競争による人間形成のひずみなど入学者選抜をめぐって様々な問題が指摘されるようになった。また,高等学校の多様化に対応して,入口である入学者選抜においても,その学校にふさわしい生徒を選ぶことができるよう改善が求められるに至った。

これらに対処するため,文部省では検討会議を設け入学者選抜の在り方について検討を行い,その報告を踏まえて,昭和59年7月に関係省令を改正し,従来公立高等学校の学力検査は,それぞれの都道府県において全県一斉に実施すべきものとされていたものを改め,必ずしも同一時期に同一問題により実施する必要はないこととする等の改善を行った。

このことは,各都道府県において生徒が自らの適性や興味,関心,進路希望等に則した,真に希望する学校を複数受験できるようにすることや各高等学校や学科の特色に応じた多様な学力検査を実施することができるようにするため措置したものである。

また,この省令改正と同時に各都道府県に対し「公立高等学校の入学者選抜について」通知し,その中で,選抜の基本的在り方,公立高等学校における受験機会の複数化,学力検査の実施方法及びその結果の利用方法,調査書の各教科の学習成績以外の記録の利用,推薦入学・面接の活用などについて選抜方法の多様化,選抜尺度の多元化などの観点から具体的な改善方策を示した。

これを受けて,各都道府県においては,その大半で入学者選抜方法の改善についての検討機関などを設け,改善のための取組が積極的に進められてきている。

その結果,これまで,学区制や総合選抜等の在り方について改善が進められるとともに,学力検査実施教科の改訂,英語のヒヤリング,国語の課題作文等の特別な試験,学科の特性等に応じた特別の試験や特定の教科の試験結果の比重を高める傾斜配点の実施,調査書の特別活動の記録等の利用,普通科も含めた推薦入学制度や面接の実施の拡大等が図られてきている。また,公立高等学校の受験機会の複数化についても,平成元年度に愛知県で実施されている。

帰国子女に対する特別選抜などの配慮や転勤者の子弟に対する出願期間の特例などの配慮についても年々改善されてきている。

このように各都道府県,さらには各高等学校においては,地域や生徒の実態などに応じて次第に改善が図られてきているといえるが,必ずしも十分に改善が進んでいない事項もあるため,実施可能なものから逐次実施することにより,今後とも,より一層適切な選抜方法を工夫・改善することが望まれる。


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