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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第8節  後期中等教育の多様化・弾力化
3  職業教育の振興



(1) 職業教育の現状と課題

高等学校における職業教育は,産業界各分野で必要とされる知識・技術を習得させるとともに,実験・実習等の体験的学習を重視し,有為な職業人の育成の面などで重要な役割を果たしてきている。平成元年度における職業学科の生徒数は約141万人であり,高等学校生徒数全体の約25%となっている( 1-2-9 )。

高等学校職業教育をめぐっては,今日,エレクトロニクスを中心とした技術革新・サービス経済化の進展等による産業社会の急速な変化や高等学校教育の著しい普及に伴う生徒の多様化等に対応するため,その在り方について一層の改善・充実が要請されている。

このため,各都道府県・学校においては,昭和60年2月の理科教育及び産業教育審議会の「高等学校における今後の職業教育の在り方について」の答申や,その後文部省で示した農業経済科や国際経済科等新学科のモデルなどを踏まえて,下記1)のような職業学科の新設や再編を進めるとともに,教育内容の改善・充実,施設・設備の整備充実等に努めている。また,特に,教育課程の一層の多様化・弾力化を図るため,工業,商業,家庭などに関する学科を複合的に設置し,学科間の枠を超えて各教科・科目の履修を行ういわゆる総合制の職業高校も下記2)のように設置されてきている。

1-2-9  高等学校学科別生徒数(平成元年度)

1) 新しい職業学科の例

○食品流通科・・・農産物及び食品の流通に関する知識・技術
○生物工学科・・・バイオテクノロジーに関する知識・技術
○電子機械科・・・電子と機械の技術を融合したメカトロニクスに関する知識・技術
○国際会計科・・・国際化した企業の会計処理の実務的能力の育成
○福祉科・・・・・・・・・福祉関連業務に従事するための専門的な知識・技術

2) 総合制の職業高校の例

○埼玉県立新座総合技術高校電子機械科,情報技術科,工業デザイン科,商業科,食物調理科,服飾デザイン科
○群馬県立館林商工高校電子機械科,情報技術科,国際教養科,サービス経営科
○北海道芦別総合技術高校電子機械科,電気・電子科,情報処理科,事務処理科

(2) 新しい学習指導要領と職業教育の改善

本年3月に公示された新しい高等学校学習指導要領では,職業教育に関して,次のような改善を図っている。

1) 技術革新の進展や産業構造・就業構造の変化等に適切に対応するため各教科・科目の内容を改善し,特に各教科の情報に関する教育を充実する。
2) 問題解決能力や自発的・創造的な学習態度を育成するため,課題解決型学習を一層重視し,各教科に新しい科目として「課題研究」を新設する。
3) 職業教育を主とする学科については,標準的な学科の構成を改めるとともに,地域や学校の実態等に応じて福祉科,情報科学科,産業技術科など複数の分野にまたがる学科等を設置者において設置することができるようにする。

(3) 職業教育関係施設・設備の整備充実

職業教育を産業社会の変化に対応して適切かつ効果的に実施するためには,学科の目的や生徒の実態に応じて実験・実習等に係る施設・設備を充実することが不可欠である。文部省では,産業教育振興法に基づき,このような実験・実習等に係る施設・設備の充実に必要な経費について助成を行っている。平成元年度においては,コンピュータなどの情報機器や新技術に対応した機器等の一層の整備を図っている。

また,平成6年度から新しい高等学校学習指導要領が施行されることなどに対応して,情報機器やバイオテクノロジー関連機器など時代の進展に対応した職業教育関係施設・設備の整備を行うため,施設・設備基準の改訂について検討する予定である。


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