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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第7節  国際化・情報化への対応
2  情報化への対応


近年,我が国における情報化の進展は著しく,コンピュータ等が,急速に職場や家庭に入り込み,日常生活にも大きな変化をもたらしている。

このような社会の変化の中で,学校教育についても情報化への適切な対応の必要性が指摘されている。

このような状況を踏まえ,文部省は昭和60年2月に「情報化社会における初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会議」を開催し,初等中等教育における情報化への対応を適切に進めるための諸問題の検討を行っている。

また,臨時教育審議会の答申においても,学校教育における情報化への対応について,情報活用能力の育成に努めること,コンピュータ等情報手段の活用が必要であること,情報化の影の部分に対して配慮することなどの提言がなされた。

そして,昭和62年12月,教育課程審議会から,我が国の初等中等教育においても国際化への対応とともに,積極的に情報化への対応を図っていくこと等を内容とする教育課程の基準の改善が答申された。

文部省では,初等中等教育における情報化への対応を適切に推進するため,この教育課程審議会答申を踏まえて学習指導要領の改訂を行い,情報化への対応に努めているが,そのほか更に具体的な対応策として,ハードウェア・ソフトウェアの整備,教員研修等の施策を進めてきている。


(1) 教育内容の改善

我が国の初等中等教育における情報化への対応は,昭和40年代後半に,高等学校の専門教育での情報処理教育(情報処理科,情報技術科等)として行われたことから始まっている。その後,情報処理教育は著しく拡大されたが,教育内容としてコンピュータ等を扱うのは,高等学校の普通教育の数学の一部でその機能,原理等が扱われるにとどまっており,我が国の初等中等教育における情報化への対応は,小・中・高等学校等を通じ,個に応じた指導や学習への動機づけなと主に学習指導の充実の面でコンピュータ等の利用が図られているのが現状である。

平成元年3月に告示された新学習指導要領においては,「社会の情報化に主体的に対応できる基礎的な資質を養うという観点から,情報の理解,選択,処理,創造などに必要な能力及びコンビュー夕等の情報手段を活用する能力と態度の育成を図る」という教育課程審議会の答申を踏まえ,児童生徒の発達段階や教科等の特性を考慮しつつ,初等中等教育の段階から積極的に情報化に対応する教育に取り組むこととされた。

すなわち,中学校においては,数学・理科でコンピュータに関する内容を取り入れるとともに,技術・家庭科に新たな選択領域として「情報基礎」を設け,コンピュータ等の操作を通して,情報を適切に活用する基礎的な能力の育成を図ることとされた。

また,高等学校においては,数学・物理等でコンピュータに関する基礎的な内容を取り入れるとともに,職業科において,情報に関する基礎的な科目を各教科に取り入れ,普通科においては, 「情報」などの教科を設置者の判断により設けられるようにすることとされた。

なお,小学校においては,各教科の内容として扱うことはしないが,コンピュータ等を教具として活用することを通して,コンピュータ等に触れ,慣れ,親しませることを基本とすることとされた。

学習指導の改善充実にコンピュータ等を活用する学校は,小・中・高等学校を通じて現在でも相当にみられるが,更にその活用を促すため,総則の配慮事項として「教育機器の適切な活用を図ること」が示された。


(2) コンピュータ等の整備

我が国の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校におけるコンピュータの設置状況は第1章の表1-1-12,13のとおりである。

各学校への情報化への対応を円滑に進めるため,昭和60年度から小・中・高等学校及び特殊教育諸学校がコンピュータを活用した教育法の開発研究を行うために必要な設備の整備に対して国庫補助を行っている。

また,職業高等学校のコンピュータ等の整備については,昭和58年度から計画的な整備を図ってきたところであるが,さらにその未整備校に対し,計画的な整備を行うため,昭和63年度から新たな国庫補助を行っており,平成元年度からは私立の高等学校のすべての職業学科についてもコンピュータ等情報機器を計画的に整備することとしている。


(3) 学習用ソフトウェアの整備

コンピュータを活用して学習指導を充実したり,コンピュータに関する教育を円滑に行うためには,ハードウェアの整備と併せて,優れたソフトウェアの整備が極めて重要である。特に,ハードウェアに比べ,ソフトウェアの整備が遅れており,その開発・整備は大きな課題となっている。現在,学習用ソフトウェアについては,民間のソフトメーカーや学校の教師によって開発されているが,文部省においても,このようなソフトウェアの開発を促すため,昭和62年度から,学習用ソフトウェアのモデル開発やソフトウェアの開発体制の整備等に関する研究を各都道府県教育委員会に委託し,優れたソフトウェアの開発促進に努めている。


(4) 教員研修の充実

学校における情報化への対応を円滑に進めるためには,指導に当たる教師のコンピュータ等に関する知識,コンピュータ等の活用に関する指導技術等の指導力の向上が極めて重要である。既に,各学校,各都道府県,市町村においても,種々の研修事業が実施され,また,民間等の実施する研修などへの参加も活発に行われる等,教師の指導力を高めるための試みが相当に行われてきている。

文部省においても,教師の指導力の向上の重要性にかんがみ,従来から高等学校の商業・工業の情報関連学科の教員又は情報処理教育センターにおいて情報処理に関する教育を担当する教員に対して専門的な研修を行ってきているが,昭和63年度から,学習指導要領の円滑な実施のため,中学校技術科担当教員,高等学校の数学・理科担当教員,情報処理関連学科以外の情報処理教育担当教員等に対して,研修を行っている。

また,平成元年度からは新たに中学校数学・理科担当教員に対しても研修を行っている。


(5) コンピュータ等の利用に関する実践的研究

各学校で情報化への対応を円滑に進めるためには,コンピュータ等の活用に関する教師の共通理解や児童生徒の意識の啓発など様々な課題がある。このため,文部省では,昭和61年度から研究指定校を指定し,学習指導におけるコンピュータ利用,校務処理のためのコンピュータ利用,教員研修等について実証的な研究を行っている。また,昭和60年度から民間の教育研究団体や教員等の自主的研究団体に対して,学習指導,校務処理にコンピュータが有効に利用されるための条件,学習用ソフトウェアの在り方,コンピュータ等を活用した効果的な教育方法の開発研究を委託している。


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