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1部   初等中等教育の課題と展望
第2章  初等中等教育充実のための施策の展開
第4節  生徒指導・進路指導の充実
2  進路指導の充実



(1) 進路指導の意義と課題

学校教育において進路指導は,生徒が自ら将来の進路を選択・計画し,就職又は進学してその後の生活によりよく適応し,進歩する能力を伸長するように,教師が組織的・継続的に指導援助する過程であり,学校の教育活動全体を通じて,計画的・組織的に行われるものである。このように,進路指導とは単に学校卒業時における就職あるいは上級学校選択の指導のみを示すものではなく,個々の生徒の能力・適性等の発見と開発を前提としつつ,生徒が自主的に進路の選択をし,自己実現を達成していく能力・態度の育成を図る教育活動であり,将来の生活における生き方の指導・援助である。

一方,近年,中学校における進路指導については,業者の学力テストによる偏差値が主要な資料として利用され,生徒の能力・適性全般にわたる評価や進路希望等が十分考慮されておらず,また,そのことが高等学校の中途退学の要因ともなっているという指摘がある。高等学校の進路指導についても,大学入試の改革等に対応した的確な進学指導及び就業構造の変化や離職率の増大に対応する就職指導の充実が必要とされている。

また,昭和63年秋に,文部省は中学校及び高等学校における進路指導に関する総合的実態調査を実施している。その調査結果によると,中学校,高等学校においては,進路指導部など進路指導に関する組織や進路指導の全体計画などを整備して組織的・計画的な活動を行っているが,他方,次のような問題点も明らかになっている。

1)中学校,高等学校とも,教員は進路指導に関する技術を修得しているところは少なく,また,校内における進路指導の研修計画もあまり立てられていない( 1-2-2 , 1-2-3 )。
1-2-2  学校における進路指導の現状評価

1-2-3  教員のための全校的な計画の作成状況


2)特に中学校の進路指導においては,生徒一人一人の個性を十分把握し,これを伸長させるという観点に立って第1学年時から系統的・継続的に行われるものとはなっておらず,第3学年時における学力中心の指導,すなわち,学力に偏った進路先決定の指導になっているとみられる( 1-2-4 , 1-2-5 )。
1-2-4  生徒理解のための個人資料の利用度(中学校3年学級担任教員)

1-2-5  進学指導における重点事項(中学校3年学級担任教員)

1-2-6  進路に関する情報資料の収集状況


3)中学校,高等学校とも,進路指導に役立てるために収集している資料としては,上級学校に関するものが極めて多いが,職業観形成の援助に関するもの,新しい環境への対応に関するものは十分収集されてはいない( 1-2-6 )。

(2) 進路指導関連施策の充実

文部省においては,進路指導主事を対象とした研究協議会や講座等の開催,進路指導の手引等指導資料の作成等により,生徒の能力・適性,興味・関心等に対応した適切な進路指導の充実を図っている。また,平成元年3月に告示された新しい中学校及び高等学校の学習指導要領においては,「進路情報の理解と活用」,「望ましい職業観の形成」など進路指導に関する内容の充実を図っている。

しかしながら,中学校・高等学校の進路指導については,総合的実態調査の結果にみられるように教員研修や情報資料の在り方など改善・充実を図るべき課題が少なくない現状にある。このため,文部省においては,新しい学習指導要領の趣旨の徹底や研究協議会,講座の内容の改善・充実を図るなど,進路指導関連施策の一層の充実に努めている。


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