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1部   初等中等教育の課題と展望
第1章  時代の進展と教育の質の向上
第3節   今後の初等教育の方向
3  入学者選抜制度の改善


受験競争の激化やこれを一層過熱させる進学塾の問題は,正常な学校教育を歪め,児童生徒の人間形成に悪影響を及ぼすものとして憂慮されている。

これらに対しては,まず,児童生徒が進学塾に通わなくてもよい状況を作り出すよう,各学校が指導方法などの一層の改善充実に努める必要がある。また,一部有名校の入試問題の見直しへの働きかけも必要である。

しかしながら,この問題の背景には学歴偏重の社会的風潮があり,「よりよい学校へ進学し,よりよい社会的地位を求める」国民性には根強いものがある。しだがって,受験競争の問題の根本的な解決のためには,この学歴偏重の是正方策やこれに関連する受験産業の問題などを幅広い観点から検討する必要があるが,教育行政においては,特に入学者選抜方法や進学指導の在り方について改善に努めていく必要がある。

公立高等学校入学者選抜の改善については,その実施主体である各都道府県教育委員会の責任において行われるのが基本である。文部省としてもその改善を図るため協力者会議を設けて検討を行い,その結果を踏まえて,高等学校の多様化への対応という基本的な考え方の下に,昭和59年に必要な省令改正を行った。また,同時に,1)学力検査の実施方法や調査書の利用等に関して,各学校や学科の特色に応じた適切な配慮を行うこと,2)複数の受験機会を与える工夫を行うこと,3)推薦入学や面接を積極的に活用するなど生徒の多様な能力を積極的に評価できるよう選抜尺度を多元化することなどについて各都道府県教育委員会を指導した。これを受け,各都道府県でも検討が進められ,普通科を含めた推薦入学の実施,面接の積極的利用などの改善が図られており,今後もこれらの改善が一層進められることが期待されている。

高等学校への進学指導については,志望校の決定に当たって偏差値に基づくいわゆる輪切りによって行われている問題が指摘されている。偏差値は客観的な数値により進学を希望する生徒の相対的な学力の位置付けを可能にすることから,また,中学浪人を出したくないという中学校側の配慮もあって重視されているのが現状である。

この問題の解決を図るためには,前述のように学歴偏重の社会的風潮の是正を図り,高等学校の入学者選抜の改善を進めるとともに,中学校における進学指導が過度に偏差値に依存することなく,生徒の能力・適性,興味・関心などに十分配慮して適切に行われることが必要である。

また,大学入試の在り方は高等学校以下の教育全体に大きな影響を及ぼすものであることから,大学入試についてもその一層の改善が必要である。


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