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1部   初等中等教育の課題と展望
第1章  時代の進展と教育の質の向上
第3節   今後の初等教育の方向
2  学校運営の改善


学校教育は,幼児児童生徒の心身の発達段階や特性,地域や学校の実態などに応じて適切に行われることが重要であり,学校において教育活動を活発に展開していくに当たっては,このことを念頭において関係者は絶えず学校運営の改善を図っていかなければならない。

で,受験競争の激化や問題行動の多発がみられ,進学率が今日のように高くなかった時代に比べ充実感をもって学校生活を送ることのできない児童生徒が増加している状況がみられるだけに,児童生徒が喜んで登校し,生き生きと学習することのできる場としての学校を目指して,学校関係者はその運営の改善に努めていく必要がある。

そのためには,学校関係者は幼児児童生徒と教師との信頼関係の確立に努め,また幼児児童生徒相互の人間関係が良好に保持されるような環境づくりに努めるとともに,幼児児童生徒が学習への達成感が得られるような指導に努めることが重要である。

以下においては,このような観点を踏まえ,学校運営を改善するための具体的方策について,学校の管理運営の改善,地域に開がれた学校の推進,学校間の連携・交流の推進の三つの点がら考えてみることとしたい。

1) 学校の管理運営の改善

学校が教育機関としてその機能を十分に発揮するためには,適切な管理運営が行われることが不可欠である。

各学校は,その環境や教職員の構成,施設・設備などがそれぞれ異なっており,それらに応じて最も効果的な指導体制を工夫し,組織体として総合的な力を発揮していくことが大切である。

設置者たる教育委員会や学校法人は,学校の運営全般についてこれを管理する立場にあるが,学校がその目的を効率的,効果的に達成するためには,設置者は,校長を中心に学校の主体的な活動が可能となるよう配慮しなければならない。

また,学校の教育活動を活性化するために校長の果たす役割は大きく,学習指導や生徒指導に率先して取り組み,十分にリーダーシップを発揮していく必要がある。

2) 地域に開かれた学校の推進

学校は地域社会を離れては存在し得ないものであり,幼児児童生徒は家族や地域社会で様々な影響を受け,また経験を重ねて成長している。

学校教育と家庭教育や社会教育は,それぞれの機能を発揮しつつ,相互に補完し合い,幼児児童生徒の望ましい人間形成を図るべきものである。

学校はとかく閉鎖的であるとの指摘がなされているが,これからは地域社会に開かれ,ともに歩んでいく姿勢を持つことが求められている。

そのためには,地域環境の活用や地域素材の教材化を一層進める必要がある。また,学校の教育活動について地域の人々の理解や協力を求めたり,家庭や地域社会の学校運営等に対する建設的な意見に耳を傾けるなど,学校と地域社会のよりよい関係を築くための格段の努力が必要である。他方,児童生徒の健やかな発達のために,ボーイスカウトやガールスカウト,子ども会など学校外の諸活動への児童生徒の積極的な参加についても必要な助言を行うなどの適切な配慮が必要である。さらに,生涯学習推進の観点から,高等学校開放講座等の開催により,地域住民に対し積極的に学習の機会を提供していく必要がある。

3) 学校間の連携・交流の推進

各学校は孤立して存在するものでない。学校が相互に積極的に交流を深め,連携を図ることによって,学校生活を豊かにするとともに,広い視野に立った適切な教育活動を進めていくことが可能となる。その際には,同一地域の学校のみならず,異なる地域の学校間において,あるいは,同一校種間だけではなく異校種間においても幅広くこのような連携・交流が考えられる。

学校間の交流としては,例えば,近隣の学校と学校行事や自然教室などを合同で行ったり,自然や社会環境などの異なる学校との間で文通や相互訪問などを行ったり,小・中学校等と特殊教育諸学校との交流を図ったりすることが考えられる。これらの活動を通じ,学校全体が活性化するとともに,幼児児童生徒が幅広い体験を得,視野を広げることにより,豊かな人格形成を図っていくことが期待される。

また,学校間の連携については,学習指導や生徒指導のための連絡会を設けたり,合同の研究会,研修会を開催したりすることなどにより,学校が相互に幼児児童生徒の実態や指導の在り方等について理解を深めることは,広い視野に立った教育活動の改善充実を図っていく上で極めて有意義である。さらに,幼児児童生徒に対して一貫して行われる教育という視点に立ち,地域の幼稚園,小・中・高等学校が相互に連携し協力し合って教育に当たるという新たな発想や取組が期待される。

なお,上記1)〜3)ともかかわり,社会一般における週休二日制の動きとも関連して,学校週五日制の問題がある。このことについては,昭和62年の教育課程審議会答申にもあるように,教育水準の維持,児童生徒の学習負担,幼児児童生徒の学校内外を通じた生活の充実と活性化の三つの観点から,今後検討すべき課題である。


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