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1部   初等中等教育の課題と展望
第1章  時代の進展と教育の質の向上
第3節   今後の初等教育の方向
1   教育内容・方法の改善


初等中等教育は,児童生徒の人間としての調和のとれた人格形成を目指し,次代を担う心身ともに健全な児童生徒の育成を目標として行うものである。このことを踏まえ,学習指導要領において教育課程の基準を定め,その実現に努めてきている。

ごとに改訂を行い,教育水準の向上を図ってきた。平成元年3月には,幼稚園教育要領及び小・中・高等学校の学習指導要領の改訂を行い,公示した。

今回改訂された学習指導要領は,今後の初等中等教育の指針を示すものであり,その改訂方針として,今後の初等中等教育において重視すべき観点を示している。それらに即して今後講じられるべき初等中等教育施策を整理すれば,以下のようになるであろう。

1) 心豊かな人間の育成

豊かな心をもちたくましく生きる人間の育成を図るため,道徳を中心として各教科や特別活動において,それぞれの特性に応じてこのような観点からの指導の充実を図る必要がある。特に,道徳教育の充実に当たっては,豊かな体験を通して児童生徒の内面に根ざした道徳性が育成されるようにするとともに,家庭や地域社会との連携を図り,基本的な生活習慣や望ましい人間関係の育成などにかかわる道徳的実践が促されるよう配慮する必要がある。また,自然との触合いや勤労・奉仕などの活動を一層重視する観点から,自然教室推進事業や勤労生産学習・奉仕等体験学習などの事業の充実を図る必要がある。

なお,このような教育を進めるに当たっては,学校における指導体制の確立や教師の指導力の向上を図る必要があるので,これらに関する施策の一層の充実を図っていく必要がある。

1-1-14  小学校で力を入れてもらいたい分野

2) 自己教育力の育成

社会の変化に主体的に対応する観点から,自己教育力の育成を重視する必要がある。このため,思考力,判断力,表現力などの能力の育成を教育の基本に据えその指導の充実を図るとともに,創造性の基礎を培うための論理的思考力,創造力,直観力を重視する必要がある。

また,生涯学習の基礎を培う観点から,体験的な学習や問題解決的な学習を重視し,学ぶことの楽しさや成就感を体得させ,自ら学ぶ意欲を育てるとともに,何をどのように学ぶかという主体的な学習の仕方を身に付けさせることが大切である。

さらに,情報化の進展に対応して,情報の理解,選択,処理,創造などの能力の育成を重視するとともに,コンピュータなどの情報手段を適切に活用する能力の育成を図ることが重要である。このため,児童生徒の発達段階や教科等の特質に応じ,これらの能力の育成に留意するとともに,コンピュータ等の整備やその適切な活用の推進を図る必要がある。

3) 基礎・基本の重視と個性教育の推進

児童生徒一人一人が基礎的・基本的な知識を確実に身に付ける過程を通じ個性を生かす教育の充実を図り,さらにその知識を基盤としながら一人一人の個性を伸ばしていく必要がある。そのためには,児童生徒が多様な個性を持っていることを認識し,それぞれの良き個性を引き出し伸長させる教育へと教育観の転換を図るとともに,学習形態や指導体制の工夫,教材・教具の工夫や開発,指導の過程における評価の実施,教育機器の活用などにより個に応じた指導方法の工夫改善を図っていく必要がある。また,中・高等学校においては生徒の実態等を考慮し,選択履修の幅の拡大を図るようにする必要がああ。

なお,個性を生かす教育の実現のためには,上記のような学校での創意工夫とともに,教育条件の整備などの面での配慮も必要である。

4) 文化と伝統の尊重と国際理解の推進

国際化の進展に対応して,国際社会の中で主体的に生きていくことができる日本人を育成する観点から,我が国の文化や伝統を尊重する態度の育成を図るとともに,諸外国の歴史や文化についての理解を深め,国外国人教員の授業を受ける中学生際理解の推進を図る必要がある。このため,国語教育や歴史教育などの充実を図る必要がある。また,国旗及び国歌の指導については,日本人としての自覚を養い,国を愛する心を育てるとともに,国際社会において信頼される日本人を育てる観点から,その充実を図ることが重要である。さらに,外国語教育については,特にコミュニケーション能力の育成を重視し,ネイティブスピーカーによる語学指導を進めるための外国人青年招致事業や英語担当教員の海外派遣事業を推進する必要がある。

1-1-15  「語学指導等を行う外国青年招致事業」国別招致者数(平成元年度)



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