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  むすび

以上第1章から第4章まで,わが国における教育の動向をでき得る限り客観的にとらえてきた。また,個々の事項についての国際比較を行なつて,世界における教育の流れの中においてわが国の教育がどのような水準にあるかを明らかにしてきた。

そして,これまでの考察によつて,わが国の教育の量的普及は主要国と比較しても相当に高い水準にあることを明らかにした。しかしそれと同時にわが国の教育には量的普及に伴つて,個々の児童・生徒の能力・適性に応じた教育を行なうための学校組織,教育内容・方法の革新を検討すべきこと,教育条件の設置者別や地域別の格差,教育費の国民所得や行政費に占める比重の低下など,これから取り組まなければならない多くの問題があることを指摘してきた。同時に,今日の社会では「生涯教育」という観点から学校教育を含む社会全体の教育的な仕組みを総合的に検討する必要に迫られている。

また,第5章においてみたように教育の量的普及の目標を一応達成した世界の主要国においても,また社会・経済の発展の基礎として教育の量的普及に努めている多くの開発途上国においてもそれぞれの事情に応じて教育改革や教育計画の策定を積極的におし進めている。このような世界の教育界の流れにおいて,さきに中央教育審議会はわが国の教育改革の基本構想を明らかにしてきた。

以上のことから今後におけるわが国教育の課題は次のように要約できる。

第―は,教育の質の向上である。教育に対する個人の要請と国家・社会からの要請に応じていくためには,各教育段階における教育方法,教育内容の充実・改善をはかるとともに,後期中等教育の多様化と高等教育機関の使命とあり方を再検討することが必要である。

第二は,そのような教育の質の向上をはかるため,教育に関する研究開発を継続的・重点的に推進することである。

第三は,社会全般の向上・発展のため教育の分野に要する資源の配分をどうするか,また教育の分野でどこに重点をおいて資源を配分するかについての研究が必要である。

第四に,今後の社会においては,家庭・学校・社会における一生を通じての教育,すなわち「生涯教育」の態勢の確立が必要である。

最後に,国際社会の緊密化に伴い,教育の面においても国際的協力の必要性がますます高まることが予想される。特に発展途上にある国々に対しては,わが国の経験を基礎として,積極的な協力を行なうことが今後の課題であると考えられる。


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