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第4章   教育費の支出と負担
3  教育費の負担
(4)  負担と受益


次に,わが国の国・公・私立学校における受益者の負担と受益の関係をみよう。ここでは,父兄や学生が学校に納付した授業料・入学金等を受益者負担額とし,これに対して,学校が支出する教授費,維持費,修繕費,補助活動費等の消費的支出を受益者の受益額としている。この両者の関係を倍率に上つて,教育段階別,設置者別に年次的推移を示すと,

図42

のとおりである。

図42  受益者負担額に対する消費的支出の倍率

すべての教育段階を通じて、公立学校では倍率がしだいに上昇する傾向を示し,特に,国立大学では,この傾向が著しい。これに対して,私立学校では,すべての教育段階を通じて,倍率が低い。

主要国の高等教育における授業料等の学生1人あたり受益者負担額の推移をみると図43のとおりであり,また,その国の個人消費支出水準(国民1人あたり個人消費支出)と比べて,どのように推移してきたかを比較すると

表89

のとおりである。

図43  主要国における高等教育の学生1人あたり受益者負担額の推移

表89  主要国の国民の消費水準と受益者負担額の推移

わが国では,私立は1956年度以降,受益者負担額が消費水準の上昇に伴つて上昇しているが,国立では同年以降横ばいに近い。アメリカ合衆国では,公・私立いずれにおいても,受益者負担額が消費水準の上昇を上、回つそ上昇しているが,イギリス,西ドイツではほとんど横ばいにとどまつている。なお,ソ連の高等教育機関では授業料は徴収されていない。

このような受益者負担額の増加またはすえ置きの結果,高等教育における受益者負担額に対する消費的支出の倍率がどのように変化したかを主要国と比較すると

図44

のとおりである。

図44 主要国における高等教育の受益者負担額に対する

消費的支出の倍率わが国の国・公立大学や西ドイツの大学(国立)では倍率が大きく上昇しているが,アメリカ合衆国の大学では,公・私立ともにほぼ一定の倍率を維持している。他方,わが国の私立大学の倍率は低レベルに停滞しているが,イギリスでは上昇している。このように,わが国の高等教育においては,国・公立学校と私立学校の間に,受益者負担額に対する消費的支出の倍率に大きな差があるが,この間の格差の是正について検討するにあたつては,学生の家庭の収入の分布,それに対応した奨学制度のあり方などを総合的に考慮すべきであろう。


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