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第3章   教職員の充実と物的条件の整備
4  過密・過疎対策

昭和30年後半の所得倍増政策,高度経済成長政策による祉会・経済の急速な発展は,わが国に人口の社会的移動現象を生じさせ,教育面においても大きな問題を引き起こしている。人口の増減は児童・生徒の増減となり,さらには学級数の増減となり,教員数,教室数の増減をもたらしている。

人口が大きく流入している過密地域における公立小・中学校の普通教室の不足状況をみると,昭和44年5月現在5,974教室が不足している。この普通教室不足に対する措置としては,プレハブ教室の建設によるものが約4割を占め,ついで特別教室の転用となつている。講堂あるいは屋内体育館の間仕切りによる措置,すしづめ学級,二部授業などのような変則授業による措置,さらには,建物の借用などがある。

また,過密地城においては校地の確保がますます困難となり,関係市町村の最も大きな悩みとなつている。

このような校舎,校地不足から,通常の場合運動場が狭少であり,その・ため児童・生徒の運動不足が目だち,他の地域にくらべ懸垂,腕屈伸,背筋力等のような耐久力を要する体力が減少し,肥満児が増加している。国は,第3次公立文教施設整備5か年計画において過密地域の校舎不足の解消を重点的に進めるとともに,新設学校の校地整地費を補助対象としたほか,用地買収費について地方債のわくを大幅にひろげる対策を講じている。

表66  社会増校における普通教室不足に対する応急措置の実態 (昭和44年)

―方,人口流出の激しい過疎地域にあつては,教員の確保,児童の通学,保健衛生管理などの多くの問題が生じている。特に,交通条件および文化的諸条件に恵まれない地域,いわゆるへき地に所在する学校は,昭和45年現在,全小学校数の21.8%,全中学校数の18.9%で,その在学者数は小・中学校ともに4.3%である。

これらへき地に所在する学校には,単級もしくは複式学級が多い。また,児童の健康状態も悪く,身長・体重などの体格も低い。このため国は,「へき地教育振興法」に基づき,これらの地域の教育水準の充実・確保につとめている。教職員対策としては,へき地手当,多学年学級担当手当の支給,他地域との人事交流を活発にするための特別昇給制度,教員宿舎の建築などの対策がとられている。児童の通学,保健衛生管理については,スクールバス・ボート等の購入,遠距離児童の通学費負担,寄宿舎居住費の負担,学校ふろの設置,医師・歯科医師等の派遣,さらには無医町村の小・中学校に対する養護教員定数の改善,加配などの措置を講じている。

教育面にあつては,へき地教育研究指定校の設置,へき地教育資料の編集・刊行あるいは複式学級における学習指導のための教師用手びき書を作成するなどの対策を行なつている。

このほかに,新たに昭和45年4月には「過疎地域対策緊急措置法」が制定され,過疎地域における小規模学校の学校統合に際しては,校舎・屋内運動場の新・増築費および教職員住宅の建築費の国庫負担率を2分の1から3分の2に引き上げるなどの措置が講じられている。

表67  へき地小学校の教育条件


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