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第3章   教職員の充実と物的条件の整備
3  就学援助
(2)  育英奨学


現在の育英奨学事業は,特殊法人「日本育英会」を中心に実施されており,このほかに,地方公共団体,学校,育英奨学法人,営利法人などによつても実施されている。昭和42年における奨学生総数の構成をみると,日本育英会奨学生が全体の76%を占め,これに次いで地方公共団体奨学生が12%を古めている。

表62  奨学生の育英奨学事業主体別構成 (昭和42年)

日本育英会の事業規模は年々大きくなり,昭和19年創設以来昭和44年度までに,貸与奨学生総数は延べ193万人,貸与総額は1,498億円に達している。日本育英会の奨学金の種類は―般貸与奨学金と特別貸与奨学金の2種類に大別できるが,特別貸与奨学金は特に成績が優秀で,経済的な理由により就学困難な学生・生徒に貸与されるものである。

表63  日本育英会の奨学生数と奨学金額の推移

最近,高等学校においても,高等教育機関においても,貸与を受ける者の比率が下がつてきており,また,受給者の大部分を占める大学―般貸与奨学金の貸与月額も十数年にわたつて3,000円にすえ置かれている。育英の見地から支給される特別奨学金を受給する者の比率も低い。今後,奨学の観点からの受給対象者の比率の増大と給与月額の増加を図るとともに,主要国にみられるように育英の要素をいつそう考慮するなどの方途も検討する必要があるといえよう。

主要国における育英奨学制度をみると,アメリカ合衆国では,高等教育機関在籍者に対する経済上の援助の形態は,1)給与奨学金,2)貸与奨学金,3)貸与学資の金利等の保証,の3種類に大別することができる。貸与学資の金利等の保証については,銀行などから学資を借りた場合,その利子の返済を連邦政府が保証するものである。また,民間団体が数多くの奨学金を支給しており,多くの学生が何らかの奨学金を受けている。イギリスでは,高等教育機関の学生の奨学金はGCE試験に合格すれば自動的に授与されるが,奨学金の支給額の決定にあたつては家庭の収入が考慮されるのが特色である。

フランスでは,教育段階や家庭の経済状況さらには下宿か自宅か,都市か農村かなど非常に詳細な基準によつて奨学金額が決定されるのが特色である。

西ドイツでは,1969年に奨学金に関する新しい法律が施行され,中等学校生徒に対する奨学制度が―段と充実された。大学生に対しては,連邦と各州が共同で,大学生の4分の1の者に奨学金を支給している。また,わずかではあるが教会や各種団体による英才児を対象としたものがある。

ソ連では,―般奨学金のほか特別奨学金の制度があり,特に成績優秀な者に25%の付加給付が行なわれている。

表64  日本育英会奨学金の種類と貸与月額 (昭和44年)

表65  主要国の政府機関奨学制度


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