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第3章   教職員の充実と物的条件の整備
2  施設・教材・教具および学校環境
(3)  学校環境


昭和44年における文部省の調査によれば,公立小・中学校のうち教育環境が悪いと答えた学校は,小学校の22.7%,中学校の24.7%に達している。教育環境が悪い理由としては「通学途上の危険」をあげる学校がいちばん多く,ついで「騒音」,  「大気汚染等」,「風紀」の順である。これを昭和33年に行なつた調査と比較すると,いずれの被害も急激に増加しているが,なかでも「通学途上の危険」は7倍の増加となつており,昭和45年1月から6月における児童,生徒の交通事故による被害は5万4千人で,このうち登下校時および見学・遠足などの教育活動中における事故は約9千人である。「騒音」の被害としては,学校の近くに交通のはげしい道路あるいは工場,基地・飛行場があることによる場合が多く,ひどいところでは授業をしばしば中断しなければならない学校もみられる。「大気汚染等」の被害としては亜硫酸ガスによる四日市ゼンソクの例,あるいは最近注目をあびている自動車の排気ガス等による光化学スモッグなどがあげられ,児童・生徒の健康に与える影響は重大である。

学校はこれらの対策として,現在,通学路の確保,交通安全教育,二重窓・換気装置等の防音工事,―定期間を限つての空気がきれいな地域への学校移動,林間学校の奨励,健康診断の回数の増加による疾病の早期発見などに力を注いでいる。しかし,特に義務教育段階の児童・生徒にあつては,年齢,成長発達の段階からみて学校環境に特別の配慮が必要であり,今後・国・県・市町村・産業界・学校が―体となつて,早急に解決措置をとらなければならない。

図38  公立小・中学校における公害被害校比率

なお,生活環境の悪化の問題は,産業が高度に発展した先進諸国においては―様に大きな社会問題となつており,学校環境の確保と公害教育の問題に関しても,国際教育機関の会議の場でもしばしばとりあげられるようになつている。特に,アメリカ合衆国のニクソン大統領は,昭和45年8月アメリカ合衆国議会に「環境教書」を提出し,その中で環境教育をとりあげ,初等・中等学校の児童・生徒に環境の重要性を教育すること,大学では環境問題についての研究部門を設置し,技術者の養成,確保に努力すべきことを指摘している。


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