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第3章   教職員の充実と物的条件の整備
1  教職員の確保と教員の勤務条件
(5)  教員の養成と現職教育
c  教員の現職教育


教職員の資質の向上のための施策については,わが国では文部省および都道府県教育委員会が,民間教育研究団体の助成や研修会,講習会の開催等を通じて従来から特に力を注いでいる。研修会や講習会のおもなものとしては,校長・教頭等研修講座,教育課程研究集会や各教科等の研修等がある。また,大学を利用して行なわれる現職教育としては,初等学校教員や中等学校教員を国立大学に―定期間派遣して研修させる制度や産業教育内地留学生,特殊教育教員内地留学生の制度がある。

このほか,認定講座や公開講座などが大学の施設を利用して行なわれている。

主要国の現職教育の制度と現状をみると,その目的や態様は国ごとに異なり,きわめて多様である。アメリカ合衆国では,現職教育の履修が教員の資格や待遇に密接に結びついているところに特徴がある。たとえば,大学は夏季休暇を利用して講習会を開催したり拡張講座を開設したりして,上級免許状のための単位認定を行なつている。また,州や地方学区の大部分で特別コースやワークショップなどを開催し,これを受講することによつて,資格や待遇の向上を図ることができる場合が多い。―般に,アメリカ合衆国では大学や大学院が夜間にも開設されており,現職の教員が再教育やより高度の教育を受けるために大学に通学しやすいようになつている。

イギリスでは,現職教育は教育科学省,教員養成地城機構,地方教育当局,教員養成カレッジで行なわれており,特定の教科の教員のためには教育科学省が1年間の補習教育課程を常設して現職教育を行なつている。

フランスでも現職教育は教育制度の改革などに対処する伝達講習的な性格をもつもの,教員資格を認定する目的のもの,講習ないし研修の3つの形かある。西ドイツでは,現職教育のあり方は州によつて異なつているが,各州とも州内にいくつかの現職教育施設を設け,ここで定期的に現職教育を行なつているところに特色がみられる。ソ連では教員の資格向上を目的として,初等・中等学校教員のために夜間大学や通信制大学が開設されており,教員は無試験で入学できるようになつている。

以上は,いずれも正規教員を対象とする現職教育であるが,試補教員を対象とするものとして,フランスでは正教員資格を与えるにさきだつて師範学校で3か月の現職教育を行なつており,西ドイツでは2か年の試補期間中,1か月に数回の割合で研修ゼミナールに参加することが義務づけられている。


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