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第2章   教育内容・方法の改善
5  人学者選抜の方法
(1)  中等教育機関への選抜


わが国の高等学校への進学率は,すでに第1章でみたように,80%をこえており,進学希望者の98%がいずれかの高等学校へ進学している。しかし,高等学校への進学の問題がすべて解決されたわけではなく,現在でも選抜の方式について,いくつかの問題を指摘することができる。

選抜の方式については,各都道府県教育委員会が地域,学校の実情,種類に応じて適宜定めることとされているが,このことから選抜の実施にあたつて都道府県間にかなりの差異がみられる。学力検査の試験実施教科は,昭和45年においては最高9教科(3県),最低3教科(4県)でその間に,6教科(1県),5教科(35県),4教科(2県)と,かなり分散している。教科の選抜試験を実施しない県(1県)もある。

このように,入学者の選抜は各都道府県が独自にこれを行なうたてまえとなつている。高等学校入試が中学校の学校生活におよぼす影響を考慮すれば,試験実施の適否,内申書重視の程度,実施教科の数と種類,問題の内容,出題方法などについて今後も総合的な検討が必要であろう。

それと同時に,入学者選抜制度上の問題として特定有名校への集中をあげることができる。この対策として,学校群制度,総合選抜制度などが実施されているが,まだ,その解決をみていない。

次に,主要国の中等教育機関への選抜の状況をみると,アメリカ合衆国におけるように中学校から高等学校へ進学するにあたつて選抜試験を行なわない国,ヨーロッパ諸国におけるように,初等教育機関から前期中等教育機関へ進学する際に,なんらかの選抜を行なう国,ソ連におけるように,前期中等教育から後期中等教育へ進む際に,職業教育関係の学校(わが国の高等専門学校に相当)についてのみ選抜試験を行なう国の3つに大別することができる。

ヨーロッパ諸国では従来,11歳試験(イギリス)や中等教育機関への選抜試験(フランス11歳,西ドイツ10歳)が行なわれ,早期にいくつかの学校種類にふり分けられていたが,―回の試験で児童をふり分けることに反省が行なわれている。

イギリスにおいては総合制中等学校を設置した地域においては,11歳試験を廃止する方向にある。

フランスでは,中等学校への進学にあたつて,原則として進路指導委員会が親や学校の意見をききながら,児童の能力・適性に最も合致した進路決定を行ない,進学した後でも各学校種類間の転校を認めることとし,西ドイツでは小学校教師と中等学校教師が共同して1〜2週間の「試験授業」を小学校で実施するなど,進路をより適正なものとする試みがみられる。

このように,主要国においては,すでに後期中等教育機関への入学者の選抜を廃止するか,実施していてもそれを廃止あるいは改善しようとしている。


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