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第1章   教育機会の拡大
7  学校以外の教育,訓練の機会
(4)  主要国における成人教育


主要国においても,一般の成人を対象として,一般教養,職業教育,レクリエーションおよびスポーツ等のプログラムを提供する成人教育が,学校,労働組谷,産業団体,有志団体等の多様な機関によつて提供されている。そして,共通にみられる特徴は,成人教育の諸プログラムの作成や実施に大学を中心とした高等教育機関が積極的な役割を演じていることであろう。これらの国における成人教育の特徴と最近における動きをみると,まず,アメリカ合衆国では,公立高等学校の施設等を利用した成人教育学級が数多く開設され,―般教養から職業教育あるいは義務教育を補完するための定時制補習教育までの多様な教育の機会が提供されている。また,多くの大学が,いつたん社会に出た者が必要な場合,現職にありながら大学に通い,学習することができるような,たとえば大学や大学院等の夜間開放等の措置を講じている。なお,最近では,入学希望者をすべて受け入れる,いわゆるオープン,ドアー制の2年制の短期大学が全国的に増設され,各地域の成人教育のために大きな役割を果たすようになつてきている。

イギリスの成人教育としては,地方教育当局が設置・維持する継続教育機関におけるサンドウィッチ方式等による職業教育,大学開放によつて提供される―般教養を主たる内容とする大学開放講座や労働者教育協会(WEA)などのいわゆる有志団体等による教育活動などがよく知られている。また最近では,これまでの継続教育機関の各種のカレッジを30余りの「ポリテクニクス」と呼ばれる総合的な教育・訓練機関の下に整理,統合し,それぞれの地域における成人および勤労青少年の教育センターとする動きがみられる。

フランスの成人教育には,主として夜間講座による国立工芸院,通信教育とスクーリングによる国立通信教育センターとがあり,勤労者にその職業資格を向上するために必要な教育の機会を提供している。最近,勤労者の現職教育の拡充のための国家援助計画が打ち出され,1968年からリール大学に「現職教育センター」(CUEEP)が付設され,勤労者の職業技術教育のための諸実験が開始され,注目されている。

西ドイツの成人教育を担当するおもな機関には成人教育大学講座があり,  一般教養を中心とする教育を勤労者に提供してきた。しかし最近では,これに加えて各種の職業,技能資格を取得するための教育プログラムも提供するようになつてきた。また,大学開放講座の導入も積極的に進められている。

ソ連の成人教育は,夜間,通信制教育の方式で大学,中等専門学校などの教育機関で実施されている。このほか近年,地域住民の教養を向上するための「文化大学」の設置がさかんであり,学校や文化施設を用いて1〜2年を年限とする学習(週1〜2日出席)が積極的に進められている。


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