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第1章   教育機会の拡大
3  義務教育
(4)  海外勤務者子女の教育


近年海外に勤務する者の数が増加するに伴つて,その子女の教育の問題が大きく取り上げられるようになつてきている。昭和44年現在,1年間以上海外に在住する学齢期の子女の数は約8千人と推定されている。

海外における日本人子女の教育は,現在,アジア,アフリカ,南米を中心に23か所ある全日制の日本人学校で行なう場合,在勤国の学校またはアメリカン・スクールなどの国際学校に在学している者に対し土曜・日曜に国語等を中心にした日本語補修学校で行なう場合,日本の教育を全く受けない場合,とに分かれる。

表5 帰国子女の海外在留中の在学状況(昭和43年)

日本人学校では,国の補助を受け日本の学習指導要領に基づき,教育しているので帰国後もほとんど問題が生じないが,在勤国の学校あるいは国際学校の在学者は,生活慣習や教育内容の違いから,帰国後日本の学校生活に適応できない場合が多い。また,帰国した子女を受け入れる一般の公立学校では,国語の能力等からみて本来の学年より低い学年で授業を受けさせる場合もあり,これらの子女の教育が問題となつている。―方,子女を日本に残留させて海外に赴任を希望する場合に,その子女を入学させちる全寮制の学校が少ないため問題が多い。

今後海外における日本人学校,日本語補習学校を充実・強化するとともに,通信教育などの方法によつて,国内と同一の教育内容による教育を実施できるような施策を講じること,帰国子女のために特別な教育内容・方法・制度を研究すること,子女を残留させる場合の措置についてじゅうぶん検討することなどによつて,これらの子女への教育の機会の確保につとめるべきである。

主要国でも自国の教育内容に基づく教育を行なう学校を海外に設置しているが,このほかイギリスでは,国内に全寮制の学校が多いことから,海外勤務者の子女を国内に残留させる場合が多く,フランスでは,フランス人学校を設置していない地域の子女に対して通信教育を実施している。

また,いずれの主要国においても,海外所在の学校の教員への給与負担や施設・設備の補助などの積極的な推進施策を講じている。


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