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第1章   教育機会の拡大
3  義務教育
(1)  義務教育年限


わが国の義務教育年限は,6歳を始期とする9年間であるが,主要国における義務教育年限をまとめると表2のようになる。

表2 主要国における義務教育年限

フランスでは1960年の小学校第1学年入学者から義務教育年限を2年延長して10年とし,また西ドイツでは8年制をとつていた数州が1965年ごろから1年延長して現在ではすべての州で9年となつている。またアメリカ合衆国では大半の州が9年間であるが,12年間の州もある。

現在,多くの国において義務教育年限の延長の問題がとりあげられているが,義務教育年限の延長には二つの方法が考えられる。一つは義務教育の始期を早める方法,一つは終期を遅らせる方法である。最近におけるフランスと西ドイツの義務教育年限の延長は,後者である。また,イギリスでは1972年から義務教育年限を1年延長して11年にすることになつており,ソ連では,1970年までに10年の教育を完全実施する計画が立てられ,そのための努力がなされている。

また,義務教育年限の始期を早めることについては,幼児に対して就学義務を課するよりは入学を保障する措置をとる傾向がみられる。たとえば,アメリカ合衆国では,1966年に全米教育協会(NEA)の教育政策委員会が,すべての子どもに幼児教育の機会を与えるために無償の公教育を4歳から始めるように提案している。

西ドイツにおいても,6歳の始期を早めて5歳とする実験がいくつかの州で実施され,連邦政府は就学前教育を最優先政策としてあげている。

5歳が義務教育の始期となつているイギリス以外の国のうち,特にアメリカ合衆国やフランスにおいても,5歳児の幼児教育機関への在籍率が近年非常に高まつており,実質的には義務就学に近い状態になつていることは注目すべきことであろう。


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