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第5章
長期総合教育計画
2 教育計画に取り入れるべき諸要素
(1) 社会・経済計画における教育投資の位置づけ


第1に考えなければならない点は,将来の教育投資の総額と国民所得におけるあるいは行政投資に占める教育費の比重である。

すなわち,均衡のとれた社会・経済の発展を図り,国民の福祉を増進するという方向に沿って,投資と消費のバランス,および投資における物的投資と人的投資,あるいは生産資本と社会間接資本の配分のバランスが考えられる。その均衡のとれた配分の上に立って,人的投資,あるいは社会間接資本の投資の内容が検討されなければならない。この投資は主として政府支出を通じてなされるので,行政部門への投資比重の問題として取り上げられる。政府支出は経済の均衡的発展や国民の福祉増進のために増大化の傾向にあり,それは租税負担の増加という背景によって進められる。

このような傾向は,福祉国家への接近を裏付けるものとして各国における注目すべき傾向である。国民の税負担率の上昇を主要置についてみると,


であり,また近年における政府支出増大の傾向は次表にみるように社会保障費と教育費の伸びによるところが大きい。


最近わが国では,設備投資の比重の高すぎることが問題となっているが,他面,公共施設や科学研究,技術者の養成など,いわゆる社会間接資本への投資の不足が指摘され,投資の不均衡が経済の成長の支障となっていることが認識されている。この点で特に近年わが国の教育投資は,数字の示すように,停滞しているが,これは教育の投資効果のきわめて高い点からみても,福祉国家への進展という意味からしても憂慮すべき問題である。

そこで,わが国の国民所得のなかにおける公教育費の占める比率について総括的な観点からみたい。明治初期の2%前後から漸次その比率を高め,今日の5%にいたっていること,また先進諸国においては今日5%の線を越えているという事実は,社会・経済の発展が国民所得および投資総額の沖における教育投資の比重の増大を必要としていることを示している。しかもこの傾向は,今後も続いてゆくであろう。すでにOECD諸国が1970年までに教育費の倍増を計画していること,ラテンアメリカ文相会議でも,アジア文相会議でも,国民所得に占める教育費の配分を,今日の2%前後からそれぞれ5%,あるいは4%〜5%,に高めることを掲げていることを考えると,わが国の最近における教育への投資比重の停滞はじゅうぶん反省しなければならないことがらである。


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