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第4章
教育投資の配分
3 教育投資の分担
(1) 国・地方別の負担の国際比較


教育投資は,一般国民が負担していることはいうまでもないが,ここでは,直接に教育投資を行なう国と地方とが,教育費をどのように負担しあっているかについて述べる。

昭和35年において,わが国の公教育費は国が48.4%,地方が51.6%を負担しているが,この形を諸外国と比べてみよう。世界の18か国について,公教育費の国と地方の負担割合を比較すると,次表に示すとおりである。

なお,教育費の負担関係をみる場合,公教育費だけではなく私費をも取り上げるべきであるが,資料の関係上,国際比較については公教育費に限定した。

表34 各国における公教育費の国・地方の負担区分

この表にあげた18か国のうち,ソ連・タイなど4か国は,公教育費のすべてを国が負担し,韓国・ブラジルなど9か国では,教育費の過半を国が負担している。わが国は,カナダやアメリカ合衆国とともに,教育費のほぼ半額を国が負担している型に属する。ノルウェー・中華民国の両国は,国の負担額に比べて地方の負担額のほうがはるかに多い 。

なお,7メリカ合衆国・カナダなどの連邦国家の場合は,国の,負担額のなかに連邦を構成する州の負担分も含めて計算した。連邦と州の負担額を分けて計算すると,次のようになる。


国・地方の教育費の負担関係は,それぞれの国の行政制度によって規制される。中央集権的な行政制度をもつ国では,教育費もおおむね国が負担し,地方分権的な行政制度をもつ国では,地方の負担率が高いのが通例である。しかし,イギリスやデンマーク・スウェーデンなどでは,教育行政面では地方分権の原則がとられているが,財政的には国が地方よりも多くの経費を負担している。すなわち,わが国よりも国の負担する教育費の割合が高い。

お,地方分権的な教育行政制度をもつ国でも,国の経済・社会の発展に寄与する教育の大きな役割が広く認識されるにつれて,また社会・経済活動が地域単位のものから国家的単位のものへと広域化する傾向と相まって,国の教育費負担率は増大する傾向を示している。たとえば,地方分権的色彩の強いイギリスやアメリカ合衆国についてみても,次の表に示すように,国の教育費負担増大の傾向はめいりょうに現われている。

表35 イギリスの地方公教育費の国・地方の負担関係の推移

表36アメリカ会衆国の地方公教育費の連邦・州・地方 の負担関係の推移

イギリスでは今日,教育費の約70%を国が負担しているが,これはこの国において教育が国家の重要関心事として強く認識されていることを示している。1959年から教育費の国庫補助金の大半が平衡交付金的な補助金のなかに組み入れられたため,最近年度における国の負担率をつかむことは困難であるが,1956年当時よりも増大しているものと考えられる。

アメリカ合衆国では,元来,教育は州・地方の責任事項であるが,この国の国際的地位が高まり,教育の重要性に対する認識が広まるにつれて,連邦の教育費負担率が増大している。1958年に成立した「合衆国防衛教育法」の規定により,初等,中等教育費に対する連邦の補助金支出は近年著しく増大している。このため,連邦の負担する教育費の比率は,1958年以後の年度においては大幅に増大している。なお,1962年の連邦議会に提出された教育費の連邦補助法案が通過すれば,連邦の教育費は飛躍的に増大するものとみられる。


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