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第4章
教育投資の配分
2 教育段階別の配分
(1) 国際的比較


国民所得や行政費のなかにおける教育費の比重については,以上述べたとおりであるが,この教育費のなかの配分がどうなっているかを次にみることにする。まず,わが国の教育費が教育段階別にどのように配分されているかを,諸外国の現状と比較して考察しよう。

わが国の学校教育費(私立学校費を含む)は現在,42%,45%,13%の割合で初等,中等,高等の各教育段階に配分されているが,この配分の形を諸外国と比較すると,次の表のとおりである。

表32 各国における公私立学校の教育費と在学者数の教育段階別構成比

b 在学者数の構成比

わが国は,ここにあげた15か国のなかでは,初等教育費の比重がソ連に次いで小さい。また,高等教育費の比重は,アメリカ合衆国,ソ連に次いで大きい。一般にアジア諸国はヨーロッパ諸国に比べて初等教育費の比重が大きく,高等教育費の比重が小さい。わが国の教育費の配分状況は,アジア諸国よりも西ドイツ,オランダなどのヨーロッパ諸国の場合に近い。

中等教育費・高等教育費の比重の大小は,それぞれの国の中等教育・高等教育の普及度に左右される。国際的にみて日本の中等教育費・高等教育費の比重が大きいことは,中等教育と高等教育の普及度が国際的に高いことを示している。(なお,日本の中等教育には,義務教育である中学校が含まれている。)しかし,アメリカ合衆国やソ連と比べれば高等教育の普及度は低く,高等教育費の配分率もかなり低いことを見落としてはならない。

なお.わが国では,初等・中等・高等の全教育段階の在学者総数のうち,高等教育在学者の占める比率は3%であるのに対して,学校教育費総額のうち高等教育費の占める比率は13%であるが,イギリスでは,高等教育在学者の占める比率がわずか1%であるにもかかわらず,高等教育費の占める比率は10%に達している。また,ノルウェーでも高等教育在学者の占める比率はイギリスと同じくわずか1%であるが,高等教育費の占める比率は比較的高く7%である。アメリカ合衆国においては,高等教育在学者の占める比率は最も高く5%であるが,高等教育費の占める比率もわが国に比べてはるかに高く25%となっている。これらの国々と比べると,わが国は,高等教育在学者の比重が大きい割合には,高等教育費の比重がそれほど大きくない。世界各国における歴史的傾向をみても,教育費配分の重点は,初等教育から中等教育へ,また,中等教育から高等教育へと移行する傾向にある。わが国においても,中等教育の拡充を基礎として,今後,高等教育機関の進学率の拡大が予測されるが,その場合,高等教育のを拡充することによって,高等教育への経費の配分率をいっそう高めてゆくことが望まれるのである。


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