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第4章
教育投資の配分
1 国民所得のうちの教育投資
(1) 類型別の国際比較


一国の国民所得に対する公教育費の比率は,その国の経済発展の段階をあわせ考えて考察すべきである。世界の33か国の国民所得に対する公教育費の比率を,各国の経済の発展段階と結びつけて比較すると,次の表のとおりである。ここでは,経済の発展段階をあらわす指標として,1人当たり国民所得を取り上げた。

表29 各国の1人当たり国民所得と国民所得に対する公教育費の比率

各国を比較すると,経済の発展した国には,国民所得に対する公教育費の比率も概して高く,経済発達の遅れた国々は,公教育費の比率も概して低い。すなわち,1人当たり国民所得が500ドル以上の国は,33か国のうち16か国であるが,それらの国は,国民所得に対する公教育費の比率も概して高く,10か国は4%を越え,あとの6か国は3%を越えている。これに対して,1人当たり国民所得が500ドルに達していない国は国民所得に対する公教育費の比率も概して低く,17か国のうち12か国はいずれも3%に達していない。

わが国の1人当たり国民所得は約350ドルで「499〜200ドル」のグループに属しているが,国民所得に対する公教育費の比率は,経済水準を同じくするユーゴスラビア・チリ・スペインなどの諸国よりかなり高く,経済水準の高いイギリス・ソ連・ノルウェー・フィンランド・ベルギー゜オランダの諸国と同じく5%以上となっている。

なお,わが国の公教育費は,国,地方の行政費総額の21.4%を占めているが,参考のためこの比率を諸外国と比較する と,次の表のとおりである。

表30 各国の国・地方の行政費総額に対する公教育費の比率

わが国の行政費総額に対する教育費の比率は,8か国のなかでは最も高い。また,文治費に対する比率ではアメリカ合衆国に次いで高い。しかし,行政費と教育費との関係を比較する場合には,各国の行政費の範囲が必ずしも一様でないことを考慮しなければならない。

以上述べたところを総合すれば,現在わが国は,国民所得についてみても,また国・地方の行政費についてみても,諸外国と比べて比較的大きな部分を公教育にさいていることがわかる。しかし,以上の比較から,わが国の公教育費支出がじゅうぶんであると結論することはできない。現在におけるわが国の公教育費の比重の大小を評価するためには,これを歴史的に検討することがさらに必要である。


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