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第2章
教育の普及と社会.経済の発展
4 わが国の教育普及の水準
(2) 経済の発達と在学率の関係


教育の普及状況を初等・中等・高等の段階に分けてみてきたが,各国によって修業年限や程度に相違があるので,年齢段階別の在学率を取り上げ,さらに1人当たり国民総生産との関係においてながめてみよう。

ヨーロッパ・アメリカ合衆国・ソ連の数字については経済協力開発機構(OECD)の資料によった。

ここでは5歳〜14歳,15歳〜20歳,21歳〜24歳の3段階の就学率をとったが,教育の普及と経済の発展の間に何らかの相関関係のあることは,この図から明らかである。しかも,この関係は,年齢段階が高くなるほどいっそう顕著になっている。1人当たり国民総生産の低い国々では,義務教育を終えた子弟を,全日制の後期中等学校,さらに大学へ進学させることによって,彼らが,今,得ることのできる収入を犠牲にすることができないことは容易に想像される。一方,経済が高度化し,1人当たり国民総生産の高い国では,より高い段階の学校教育に対する社会的要請が強まるうえに,個人的にも,消費としての教育費を負担する能力がじゅうぶんにあることも容易に理解される。

図19  各国における1人当たり国民総生産と在学率の関係

1人当たり国民総生産の最も高い3か国(アメリカ合衆国・カナダ・スウェーデン)では,在学率も,特に15歳〜19歳,20歳〜24歳段階において,非常に高く,反対に,1人当たり国民総生産の比較的低い地中海沿岸諸国では在学率も低くなっている。

しかし,ここで注目すべきことは,1人当たり国民総生産が中位にあるソ連・イギリス・フランス・西ドイツ・日本などの国々の在学率である。

すなわち,経済発展の度合いにおいては同程度の国々の間でそれぞれの教育段階の在学率にかなりの開きがみられるのである。このことから,経済発展の度合いが中位の国,すなわち,ある程度の生活水準に到達した国々においても,教育に対する努力の相違から在学率にかなりの開きがあることがわかる。

わが国やソ連における在学率が,その経済的水準から予測される率をはるかに上回っていることは,これらの国が伝統的に,あるいは政策的に,教育に対して多大の努力をはらっていることを示している。


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