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第2章
教育の普及と社会.経済の発展
3 教育費からみた教育の量的普及
(2) 教育費からみた国民の学歴構成の推移


国民のうち生産年齢にある人々に対してどれだけの教育費が投ぜられたか。その経費の累積額を明治38年(1905),大正14年(1925),昭和10年(1935),同25年(1950),同35年(1960)について示すと,次表のようになる。

表12教育経費の累積額

すなわち,昭和35年現在では,明治38年の25倍に増加している。

このような,教育費累積額の増大に裏付けられて,生産年齢人口の学歴構成はどのように変わったであろうか。以下は大まかな算定によって試算した各年度の学歴構成の変化の姿である。

表13  生産年齢人口の学歴構成

明治38年から昭和35年までの表にあげた各年度の間に教育経費累積額は,それぞれ倍加してきているが,学歴構成では,不就学者の率がそれにほぼ逆比例して減少していく。これに反して,中等および高等教育の学歴をもつ者の比率は経費にほぼ比例して増加している。初等教育の学歴をもつものは,昭和25年まで増加するが,前期中等教育が義務制となったので,以後減少の一途をたどっている。

このようにして,生産年齢人口の学歴構成は,教育経費の累積額が拡大するにしたがって高度化してきた。

生産年齢人口を労働可能な人口と考えると,その学歴構成の高度化は労働力の質的向上をもたらす。この労働力の質的向上は時代とともに顕著でありこれがわが国の経済成長を高めた人的要素といわれるものであって,生産の増加と社会・経済の発展に貢献してきた姿であった。

図16  生産年齢人口の学歴構成の変遷

国民の学歴構成の高度化によって示される人的要素の質的向上が,いかに日本の社会・経済,とくに総生産をあげることに役だってきたかは,すでに第1章で各段階の教育に投ぜられた教育費の総額の蓄積という形でとらえ,その生産上昇に対する効率を測定するという方法でみてきたとおりである。

以上のような教育投資の効率に関する検討は,さらに各段階の教育の中での質の問題,すなわち教育費の配分や,専攻課程の構成などを考慮に入れることによって,さらに具体的な,精密な教育と経済の関係の探究に進むことができるであろう。


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