ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第4章
教育費の水準
4 教育費の支出態様


主要国が,その公教育費の支出にあたって,初等・中等教育と,高等教育の,それぞれの分野にどのような比重を与えているかについて比較すれば,表のようである。わが国およびアメリカ合衆国・西ドイツは,高等教育の分野にほぼ等しい比重を与えているのに対し,ソ連はほぼその2倍の比重を与えている。

第65表 主要国における公教育費の学校段階別の比率

このことは,ソ連の高等教育機関がすべて国立であることにもよるが,同時にまたソ連においては,他の国に比べて,初等・中等教育よりも,高等教育がより重視され,高等教育に対しては,かなりに手厚く経費の支出がなされているためであろう。

わが国について戦前と戦後を比較すれば,戦後においては,高等教育費の比率は戦前の水準を下目うている。戦後においては,義務教育年限の延長,中等教育の普及等のため,初等・中等教育費の伸びが著しいのにそのわりには高等教育費が伸びていない。

第66表 学校段階別にみた公教育費の戦前・戦後の比較

次に,初等・中等学校公教育費について,消費的支出・資本的支出・債務償還費の比率を見ると,主要国は,おおむね全経費の80%近くを消費的支出に向け,20%内外を資本的支出に向け,債務償還のためには2%〜6%を支出している。

第67表 主要国における初等・中等学校公教育費の支出 項目別の比率

なお,わが国のこの比率の戦後の年次的推移を示すと,資本的支出が漸次低下してきて,20%近くの線で横ばいの傾向を示しているが,これは,戦災をうけた学校施設などの復旧と義務教育年限の延長による施設の緊急整備が一段落していることを示すものである。

第68表,初等・中等学校公教育費の支出項目別の比率の推移

次に,初等・中等教育,高等教育のそれぞれについて,その教育費における人件費と物件費との比率を考察する。

第1に,わが国の公立初等・中等学校教育費に占める人件費・物件費の比率を,西ドイツ・アメリカ合衆国のそれと比較してみると, 第69表 のようである。

第69表 3か国における公立初等・中等学校教育費の 人件費・物件費の比率

物件費の比率を西ドイツと比べると,わが国の物件費の比率は,消費的支出だけの場合でも,資本的支出などを含めた場合でも,西ドイツよりやや低い。

また,教員などの給与費とその他の経費の比率を,アメリ》合衆国と比較すると,わが国のその他の経費の比率は,消費的支出だけの場合も,資本的支出などを含めた場合も,7メリカ合衆国よりかなり低い。これは,アメリカ合衆国の教育が,豊富な物的条件をそなえていることを物語っているものといλるであろう。

次に,わが国の人件費・物件費の比率の推移を見ると,戦前においては義務教育学校も中等学校も物件費の比率は,1954年現在の西ドイツの比率をやや上回る水準にあった。しかし,昭和32(1957)年現在の義務教育学校のそれは3%内外,高等学校のそれは4%前後それぞれこの戦前の水準より低くなっている。

戦後数年間のわが国の義務教育学校においては,物件費の比率が戦災の復旧,義務教育年限の延長など,物件費膨張の一時的要因のために,40%、台に上った一時期があったのであるが,昭和27,28年度からは戦前の比率よりやや低い,30%を少し上回った線にとどま,っている。

第70表 公立初等・中等学校教育費の人件費・ 物件費の比率の推移

第2に,わが国の国立の高等教育機関の教育費(資本的支出を含む全救育費)に占める物件費の比率について,戦前との比較を行なうと,昭和32年のそれは,戦前のそれよりも9%低い。戦後の2,3年を除き,この比率は,ほとんど低下の傾向を示しているが,最近また上昇のけはいがうかがえる。高等教育機関においては,初等・中等教育の場合と比べて物件費の比重はかなり大きくあるべきものである力)ら,そのようをこ高等教育費にお、ける物件費の比重が戦前に比べてかなり下回ってり\ることkま軽視できない問題であろう。

第71表 国立高等教育機関教育費の人件費・物件費 の比率の推移

なお,外国と比較する資料がないため,第72表のように西ドイツとの比較ができるにすぎない。

第72表 公立高等教育機関教育費の人件費・物件費 の比率の比較


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ