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第4章
教育費の水準
3 生徒・学生1人あたり教育費


公立初等・中等学校の生徒1人あたり経費について,主要国と比較すれば,各国の国民所得の水準を反映して,わが国は,他の5か国に比べて,かなり低く,アメリカ合衆国の約1/7,イギリスの約1/4,西ドイツおよびフランスの約1/3,ソ連の約1/5となっている。

第62表 主要国における公立初等・中等学校の生徒1人あたり公教育費


前章で考察したように,イギリスを除く諸国では,わが国に比べて,1教師学校がかなり多い。生徒1人あたりの額は,学校規模に反比例して増大するものであるから,これらの国の生徒1人あたりの額は,実質的には,より低く評価すべきものである。

しかし,これらの事情を考慮しても,わが国の初等・中等学校の生徒1人あたり経費は,各国に比べて,かなり低いことになる。このことは初等・中等学校に分けて,イギリス・西ドイツ両国と比較した場合でも同様である。

わが国の教育に対する努力にもかかわらず,国民所得の水準が低いために,このような結果になっているが,このことが,前章で述べたような教育条件・機会均等施策等の面における立ち遅れの一因とも考えられるであろう。そのうえ,わが国では,生徒1人あたりの教育費は,その地域によって著しい差を示しているのであって,たとえば,昭和32年において,小学校の児童1人あたり経費は,最低の県で11,384円であるのに対し,最高の県では21,595円で,その間に大きなひらきがある。各県の間のひらきの大小は変異係数の大小によって示されるが,表に見るように,昭和30年度までは漸減傾向を示していたのに,近年わずかではあるが,増加のきざしを見せていることは注目される。

第63表 小学校児童1人あたり教育費の都道府県間のひらき

主要国に比べてこのように低いわが国の生徒1人あたりの教育費を,主要国の水準に少しでも近づける方向に向かって努力すべきことはもちろんであるが,なによりもまず,低い地域の教育費を引き上げ,わが国の教育水準を確保することが肝要である。

なお,初等・中等学校の生徒1人あたり経費に関して,わが国の各県間のびらきの度合いを,アメリカ合衆国の各州間,イギリスの各県間のびらきの度合いと比較すると,連邦による地方教育財政の調整がまったく行なわれていないアメリカ合衆国では,このひらきはわが国よりはなはだしい。国による地方財政の調整がある程度進んでいるイギリスでは,そのひらきはやや小さい。

第23図 3か国における初等・中等学校の生徒1人あたり公 教育費の全国平均に対する最高・最低額の指数

次に,主要国の公立の高等教育機関について,その学生1人あたりの教育費を比較する。

第64表 主要国における公立高等教育機関の学生 1人あたり教育費

高等教育機関についても,わが国の学生1人あたり教育費は,各国に比ベて低く,アメリカ合衆国の約1/4,イギリスの約1/3,西ドイツおよびソ連の約1/2にとどまっている。


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