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第4章
教育費の水準
1 国民所得と教育費


一国の教育費支出の規模は,その国の国民所得の多少によって基本的にわくづけられるのであるが,教育に熱心な国民は,国民所得のより多くの部分を教育にさくであろうから,各国がその国民所得のどのような割合を教育費に支出しているかを比較することは,各国の教育に対するいわば努力度を評価することになる。わが国の国民所得に占める公教育費総額の比率を,主要国のそれと比較すると,表のようである。

第56表 主要国における国民所得に占める公教育費の比率

ここに掲げた「公教育費」とは,学校教育・社会教育,ならびに,学術・文化・芸術・宗教等に関して,中央および地方行政機関によって支出されたいっさいの公費の総額(重複額を除いた純計額)をいう。

6か国の中では,わが国の比率が最も高く,イギリス・西ドイツ・アメリカ合衆国がこれに次ぎ,フランス,・イタリア両国の比率が低い。

ソ連については,国民所得の増加率が公表されているだけで,国民所得の額が発表されていないので,正確に示すことはできないが,およそ8%〜9%と推定される。ただし,ソ連では,制度のたてまえが異なり,すべての教育機関が国営であること,ならびに学校教育以外の教育分野に対して,各国に比べて,きわめて多額の公費(公教育費総額の約40%)が支出されている事情を考慮に入れる必要がある。

わが国は,ソ連を除けば,世界各国の中で,この比率が最も高い部類に属する。しかし,各国の国民の教育に対する努力度を厳密に測定・評価するためには,公教育費だけではなく,私教育費もあわせた公・私教育費によって行なわなければならない。私教育費には,私立学校の経費,学校または家庭で行なわれる教育に関する父兄負担の経費,さらには,学校教育以外の教育分野に関して,私的団体等の支出する私費があるが,ここでは資料の関係上,私立学校経費だけを取り上げた。

各国の私立学校経費の比重を見る上の参考として,その国の生徒総数に占める私立学校生徒数の比率を比較すれば,フランスおよびイタリア両国の初等・中等教育においてはかなり高く,わが国の中等・高等教育においてはかなり高い。

第57表 主要国における私立学校生徒数の比率

私教育費を含めた教育費総額の国民所得において占める比率は,公教育費総額だけについてみた場合に比較して,各国間のひらきが小さくなるが,なお,わが国は他の5か国に比べて高い比率を示している。

第58表 主要国における国民所得に占める公・私教育費の比率

以上,わが国の国民所得に占める教育費の比率は,公費だけについてみても,私費を含めた場合でも,主要国を上回り,わが国の教育に対する努力度の高いことが知られる。

わが国の国民所得に占める公教育費総額の比率は,戦後一貫して上昇の傾向をたどってきたが,最近においては,停滞または低下の傾向を示し始めている。

第59表 国民所得に占める公教育費の比率の推移

これに対して主要国が,上昇傾向を示していることは注目すべきことである。

第21図 主要国における国民所得に占める公教育費の比率の推移


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