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第3章
教育条件・機会均等施策等・教師の水準
3 教師の水準
(6) 視学制度


教師の現職教育や,資質・勤務成績の向上のため,諸外国においては,視学制度を設け,視学に,国の教育関係の法律が正しく守られているかどうか,公費によってまかなわれる学校の運営が適切になされているかどうか,教育の方法が適切かどろか,生徒が正しく教育されているかどうかを指導助言および監督する役割を与えている。


a 視学の役割

諸外国が,具体的に,視学にどのような役割を負わせているかを簡単に述べる。

(a) 視学が教師の異動・昇任・増給に関し,一定の役割を果たしている国ソ連・中華民国・ビルマ・パキスタン・オーストラリア・チェコスロバキアなど。

(b) 必要ある場合は,視学が,教師の懲戒処分を行なうことになっている国フランス・中華民国・ビルマ・スペイン・チェコスロバキアなど。

(c) 視学が,教育課程・教案・授業時間表が適切に組まれているかどうかを調べ,必要ある場合,これに修正を加えることができる国西ドイツ・ソ連・オーストラリア・ニュージーランドなど。

(d) 視学が,授業を参観し,教師の用いる教授方法について意見を述べ,指導する国フランス・ソ連・イスラエル・スウェーデン・スペイン・チェコスロバキアなど。

(e) 教師の勤務成績を評価し,報告を作成する国1)国が評定要素を規定しているか,もしくは視学の報告書の様式を規定している場合西ドイツのバイエルンおよびヘッセン,フランス・イタリア・中華民国・フィリピン・インド・エジプト・ニュージーランド・スペイン・チェコスロバキア・カナダなど。

2)公的な基準がない国の場合バイエルンおよびヘッセンを除く西ドイツ・タイ・ビルマ・パキスタン・ユーゴスラビアなど。

教師の勤務成績の評価には点数制または,記号式が使われており,フランスでは0点〜20点の得点方式,オーストラリアでは,1点〜100点までの得点方式の州と優・良・可・不可のような記号式をとる州とがあり,スウーデンでは勤務能率は良・普通,人格は満足・不満足というような段階別記号式をとっている。

以上の諸国では,視学の評価は教師の職歴に大きく影響し,そのため,視学の評価に対して,教師側に異議申し立ての権利が認められている。

(f) 教師個人の評価は行なわず,学校全体についての評価を行なっている国(ただし、正教員の資格賦与にあたって、文部大臣の諮問を受ける。)イギリスアメリカでは,上に述べたような意味の視学はおらず,スーパーバイザーという教師に対する相談役・助言者となる専門家がおかれている。

わが国においては,現在,文部省に視学官,県・市町村には指導主事がおかれ,これらの者がアメリカのスーバーバイザーと同様の役割を果たしている。

したがって,わが国には,現在,視学による教師の評価という制度はないが,人事管理者による勤務評定の制度が一般公務員の場合と同様に実施されている。


b 視学1人あたり教師の数

各国の視学1人あたり教師の数は次の表のとおりである。

第55表 各国の視学1人あたり教師の数


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