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第3章
教育条件・機会均等施策等・教師の水準
3 教師の水準
(4) 教師の団体


主要国のおもな教師の団体の状況は次のようである。

アメリカ合衆国においては,NEA(全米教育協会)とAFT(アメリカ教員同盟)があげられる。NEAは教育界のあらゆる分野の利益代表の集まりである職能団体であって,会員数は1957年現在で約100万人といわれる。そのおもな運動目標は,教師の教育技術の改善および資質の向上にあり,同時に教師の給与改善をも目ざしている。AFTは,明確に教員組合の性格を蒲えているが,組合員は約5万人で,あまり大きな勢力ではない。

イギリスでは,NUT(全国教員組合)があげられる。NUTは,自らを「職能団体と労働組合の両方のよい特徴を結合し,かつ独自の機能を有する教師の職能的組織である。」と規定している。組合員は1957年現在で約23万人である。NUTは,教師の給与基準の決定に関して発言権を与えられている。

西ドイツでは,SGEW(労働組合「教育と学問」)があげられる。この団体は,教育界全般の職能的水準の向上を目ざし,また各邦学校制度の統一のために活動している。組合員数は,1957年現在で約77,000人である。

フランスでは,多種多様の職能団体や教員組合が分立し,それぞれ独自の方法・手段によって,独自の目標に向かって運動を行なっている。

その他,オーストラリアでは各州の教員組合連合,オナダでは各州の教員同盟,ソ連では「教職員および科学研究所職員労働組合」をあげることができるであろう。

ここで注目すべきは,これら諸国の教師の団体あるいは組合は,教師という職業を医師や弁護士と同じ段階にまで向上させたいという意欲から結成され,教師は労働者であるという考え方ではなくて,教職は専門的職業であるという考え方にたって,自己の職能的実力を高めることを大きな運動目標としていることである。

したがって,主要国の教師の団体は,一般的にいって,労働組合というよりはむしろ職能団体としての行き方をみせており,政治的・闘争的性格はそれほどみられない。たとえば,AFTはストライキ権を放棄する声明を出し,NUTはTUC(労働組合会議)には加入せず,SGEWはドイツ労働組合同盟の所属組合ではあるが,政治的中立の立場に立ち,ソ連の「教職員および科学研究所職員男働組合」は,ソ連邦労働組合の一下部機関としておもに組合員の福利・厚生を中心としながら,政府に対する協力体制をとっている。

わが国においては,教師の団体は,戦前は職能団体として活動し,その中心は「帝国教育会」であり,今日のごとき労働団体的なものはほとんどなかった。

しかし,戦後,事情が変わってきて,昭和21年旧労働組合法制定以来,教師も労働組合を結成できるようになり,労働組合としての教師の団体が勢力を有するに至った。その後,国家公務員法・地方公務員法の制定に伴い,これに対する労働組合法の適用は排除され,現在は「職員団体」であって,「労働組合」ではないにもかかわらず,ひきつづき労働組合的性格をもって存続している。

その職員団体の連合体として日本教職員組合(日教組)と日本高等学校教職員組合(日高教)があり,その構成員は,前者が約50万人,後者が約4万人といわれる。その他,日本教職員団体連合会(教団連)・教職員協議会・教職員連盟等がある。

次に職能団体としては,各種の校長会や教科別研究会などの全国的連合組織があり,それぞれ職能的活動を行なっている。


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